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 フランス文学者で演出家の渡辺守章・東京大名誉教授(85)がフランスのレジオン・ドヌール勲章シュバリエを受章し、9日に東京・南麻布のフランス大使公邸で叙勲式があった。60年余にわたり学究・翻訳と演出の双方で活躍し、日仏の相互理解への貢献が評価された。

 ローラン・ピック大使は祝辞で、1920年代に駐日大使も務めた外交官で劇作家・詩人のポール・クローデル(1868~1955)の研究をライフワークとし、彼が滞日中に完成させた大作戯曲「繻子(しゅす)の靴」を翻訳(岩波文庫)、自身の演出で8時間超にわたる全編上演を実現させたことなどに触れ、「これらすべてが演劇人・翻訳者としての集大成であろうと思います」と、長年の業績に敬意を表した。

 渡辺さんは東大や放送大、京都造形芸術大で文学・演劇や表象文化論を講じる一方、演劇集団円や主宰する空中庭園などで演出家として精力的に活動。西洋演劇と能などの古典芸能を融合させた表現も駆使し、後進に多くの影響を与えた。

 クローデルが没した翌56年に仏留学し、その一次資料に多く触れた。「自然と導かれたような出会いでした」と振り返った。(編集委員・藤谷浩二)

 <訂正して、おわびします>

 24日付舞台・音楽面「渡辺守章さんに仏の勲章」の記事で、「芸術文化勲章」とあるのは「レジオン・ドヌール勲章」の誤りでした。ナポレオンによって制定された最高位の勲章です。取材時に取り違え、確認も不十分でした。

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