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 相変わらず独りよがりが目立つ内容だった。トランプ米大統領が今後1年間の施政方針を示す一般教書演説をした。

 欧州の同盟国に防衛負担を増やさせ、ロシアとの核軍縮条約は離脱を宣言した。そうした一方的な外交を誇示し、「米国の利益追求について謝罪することはありえない」と述べた。

 この露骨な「米国第一」姿勢だからこそ、北朝鮮政策の行方にも不安を抱かざるをえない。演説のなかでトランプ氏は、米朝首脳会談を今月27~28日にベトナムで開くと表明した。

 昨夏以来、2回目となる。長く敵対してきた両国の首脳による対話自体は好ましい。しかしトランプ氏の場合、目先の成果の演出と妥協に走り、本来の目的を見失う懸念が拭えない。

 あくまで朝鮮半島の和平と非核化への道筋を描くことが、会談の狙いであるべきだ。前回のように事前の調整が乏しいままでは真の成果は望めない。

 米政府の実務責任者を務めるビーガン氏が昨日訪朝し、詰めに入った。非核化へ向け、いつ何を実行するかの言質を北朝鮮からとりつける必要がある。

 ビーガン氏は先日、米国での講演で、北朝鮮の非核化措置と、米国による関係改善の行動を同時並行的に進めたい考えを示した。北朝鮮側の見返り要求を一定程度受け入れた形だ。

 現実的に非核化への進展は一朝一夕には難しい。重要なのは、どんな段階的なプロセスが適正かを見極めることだ。最終的に大量破壊兵器を温存させないための着実な工程表をつくらねばならない。

 北朝鮮は表向き、核・ミサイル実験を自制しているが、国連で制裁状況を監視する専門家たちは、いまも開発が続いていると分析している。洋上で違法に物資を積み替える「瀬取り」の通報も絶えない。米国は、これらの追及も心がけるべきだ。

 韓国政府は、朝鮮戦争の終戦宣言を出すことも、北朝鮮を動かす誘因策になりうると訴えている。確かに、和平の象徴としての宣言で北朝鮮が軟化するならば検討に値するだろう。

 しかし、宣言を大義名分として、在韓米軍などの軍事力の削減や制裁緩和を一方的に求めるようであれば話は違ってくる。どのような交渉になるにせよ、日本や韓国との緊密な調整のうえで取り組むべき問題だ。

 「多くのやるべき事が残っている」とトランプ氏はしつつ、「だが、金正恩(キムジョンウン)氏と私の関係は良好だ」と力説した。問われているのは個人的な関係ではなく、具体的な進展である。

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