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 在日米軍にさまざまな特権を認める日米地位協定について、抜本的な改定を求める動きが強まっている。

 過重な基地負担にあえぐ沖縄県の長年の訴えを受け、全国知事会が昨年夏に具体的な見直しを提言。公明党や国民民主党も改定案をまとめた。

 ところが政府はなお改定に否定的で、運用の改善が現実的との立場を崩していない。

 そんななか、在日米軍になぜ日本の法律が適用されないのか、政府が公式な説明を変更していたことが明らかになった。外務省ホームページの「日米地位協定Q&A」の記述が1月に修正されていたのだ。

 従来は「一般国際法上、特別の取り決めがない限り接受国の法令は適用されず、日本に駐留する米軍も同様」とあった。

 それが修正後は「一般に、個別の取り決めがない限り、軍隊の性質に鑑み、公務について、受け入れ国の法令の執行や裁判権等から免除される」と、「国際法」の言葉が削除された。

 国際法の原則でないのなら、主権国家の判断として、在日米軍に対し日本の国内法を原則適用できるのではないか――。そう思わせる重要な変更だ。

 ところが、河野外相は先週の参院予算委員会で「政府の考え方は変わらない」「よりわかりやすくした」と述べるだけだった。納得できない。

 実は、政府の説明は一貫していない。1960年に地位協定が承認された国会で、当時の外務省条約局長は「当然日本の法令が原則として適用になる」と答弁した。それが70年代に入ると「国内法は原則不適用」と逆転し、根拠として一般国際法を持ち出すようになった。

 そもそも、この一般国際法が何を指すのか、政府は具体的に説明していない。日本弁護士連合会は2014年の意見書で、そのような「一般国際法の規則は存在しない」と政府の見解を真っ向から否定。日本の法令による規制が不十分なまま、米軍機の騒音や米兵による事件・事故など、基地被害が継続・拡大していると指摘した。

 ドイツ、イタリアで現地調査をした沖縄県の報告は、両国が「自国の法律や規則を米軍にも適用させることで自国の主権を確立させ、米軍の活動をコントロールしている」と指摘している。同じことが、なぜ日本では出来ないのか。

 政府は国内法の適用を原則とし、必要な改定を米側に求めるべきだ。主権に基づき、国民の生命と人権を守るのは、政府の当然の使命である。

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