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 13組の同性カップルが、法律上の婚姻関係が認められないのは、憲法が定める結婚の自由や法の下の平等に反するとして、全国の4地裁に提訴した。

 結婚するか、しないか。いつ、誰と結婚するか。人生の選択は等しく開かれるべきだという訴えは、多くの人の胸に届いたのではないか。

 尊厳を傷つけられるだけでなく、社会生活を送る上での不利益も大きい。法定相続人になれず、パートナーが手術を受ける際の同意手続きにも関与できない。外国人の場合は「配偶者」として在留資格が得られないため、いつまで日本で暮らせるのか、不安がつきまとう。

 今回の一斉提訴に先立ち、京都では、結婚後に性同一性障害と診断され、性別適合手術を受けた人が、戸籍上の性の変更を家裁に申し立てている。これも現行制度の不備を問い、同性婚の成立を求めるものだ。

 自らの性をどう認識し、どんな性的指向をもつかは、人によって違い、一つの型を押しつけるべきではない。その認識は急速に浸透している。朝日新聞の17年の世論調査では、同性婚を法律で認めるべきだと考える人は49%で、否定する39%を上回った。若い世代ほど肯定的だ。

 独自のパートナーシップ制度を設ける自治体が近年相次ぎ、保険金の支払いや社内の慶弔規定などで、法律婚と変わらぬ扱いをする企業も増えている。

 そんな大きな時代の流れから取り残されているのが国会だ。伝統的な家族観にこだわる議員が多数を占める自民党は、民法などの見直しにかたくなな姿勢をとり続ける。だが、人々の声に耳を傾け、多様な生き方が尊重される社会を築くのが、政治の重要な使命のはずだ。

 NPOの調査によると、25の国・地域が同性婚を認め、準ずる制度を持つ国はさらに多い。主要7カ国で法整備がされていないのは日本だけだ。

 米国では15年、連邦最高裁が全ての州で同性婚を認める判決を言い渡した。「婚姻する権利は人の自由に内在する基本的権利だ」と述べ、同性婚カップルへの不利益な処遇は、法の下の平等に反すると結論づけた。

 もっともな指摘である。同じ訴えに、日本の司法がどう向き合うかが問われる。

 声を上げた人たちは、特権を求めているのではない。他人に何かを押しつけるわけでもない。自分らしく生きることで、理不尽な差別を受けるのはおかしいと言っているだけだ。

 ためらう必要はない。あるべき方向にカジを切る時だ。

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