(書評)『忖度と官僚制の政治学』 野口雅弘〈著〉
モリカケ問題に続いて厚労省の統計調査にも忖度(そんたく)がはたらいたように見える。官僚制の誇る精確性や公平性、M・ウェーバーのいう「技術的優越性」が損なわれたことは確かだ。権力者の意向を推し量ることは、涵養(かんよう)されるべきエートスにでもなったのだろうか。
本書によれば、「政治主導」や「脱官…
モリカケ問題に続いて厚労省の統計調査にも忖度(そんたく)がはたらいたように見える。官僚制の誇る精確性や公平性、M・ウェーバーのいう「技術的優越性」が損なわれたことは確かだ。権力者の意向を推し量ることは、涵養(かんよう)されるべきエートスにでもなったのだろうか。
本書によれば、「政治主導」や「脱官…