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 日立製作所とグループ会社10社の計11社12事業所が昨年4~9月、国の監督機関「外国人技能実習機構」の実地検査で、技能実習適正化法違反があるとして改善勧告や改善指導を受けていたことがわかった。朝日新聞の取材に日立が認めた。実習での必須業務を技能実習生にさせていないことや、給与が、日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金を下回っているなどの違反が指摘されていた。▼38面=実習計画満たさず

 日立では、笠戸事業所(山口県下松〈くだまつ〉市)で「電気機器組み立て」の実習生に必須業務以外の作業しかさせていないなど同法違反の実態があるとみて、実習機構に加え法務省などが昨年から今年にかけて実地検査し、日立への行政処分を検討している。日立広報・IR部は笠戸について「現時点で法違反と認定された事実はない」とするが、他の現場では違法状態が広がっていたことが明らかになった。

 日立は経団連の中西宏明会長の出身企業。こうした大企業グループで軒並み同法違反の指摘が表面化するのは異例だ。

 朝日新聞が入手した改善勧告・指導書や日立への取材などによると、日立アプライアンス多賀事業所(茨城県日立市)では昨年7月、「電子機器組み立て」の習得が目的の実習生が多数いるのに実習の必須業務であるプリント基板の作業を外注していて、実習生にさせていなかった。

 日立金属九州工場(福岡県苅田町)では昨年8月、「鋳造」の技能実習生に必須業務とは違う作業をさせている例が確認された。茨城県ひたちなか市にある日立ハイテクノロジーズの工場でも同月、「機械加工」の実習生に必要な作業を十分させていなかったと指摘された。日立製作所大みか事業所(日立市)では昨年7月、基本月給約13万円が、日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金に満たないとして、同年4月にさかのぼり差額を払うよう求められた。

 実習機構は同法に違反する実態を確認すると「改善指導書」や「改善勧告書」を出す。国が改善は不十分だと判断すれば、改善命令や、実習計画の認定取り消しなどの行政処分をする。日立は12事業所については「改善を実施し、機構に改善内容を報告済みである」と取材に答えた。

 大企業での技能実習を巡っては法務省と厚生労働省が1月、実習計画と異なる作業をさせたなどの同法違反で三菱自動車とパナソニックに対し、実習計画の認定を取り消している。(前川浩之、嶋田圭一郎)

 <訂正して、おわびします>

 ▼5日付1面の日立製作所とグループ会社10社の計12事業所が、外国人技能実習機構から改善勧告や改善指導を受けていたことを報じた記事で、日立製作所大みか事業所(茨城県日立市)について、「最低賃金」を下回っているなどとあるのは、「日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金」の誤りでした。最低賃金は法に基づき国が定めるもので、取材の過程で取り違えました。

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