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 東京電力福島第一原発事故が起き、全町避難が続く福島県大熊町。8年の年月を経て今春、原発立地自治体として初めて避難指示の一部が解除される見通しだ。直後は「地図から消える」とさえ言われたが、ようやく一歩を踏み出し、町再生の糸口を探る。

 ■「不安、でも戻る。古里だもの」

 山あいの小さな集落では「ガンガン」と工事音が響き渡り、大型ダンプや重機がひっきりなしに行き来していた。

 大熊町大川原地区。今春の避難指示解除を控え、新庁舎の建設が急ピッチで進む。周辺では帰還する町民のための災害公営住宅50戸がまもなく完成する。

 避難指示が解除されるのは大川原地区と中屋敷地区。町面積の4割を占める。町は、放射線量が相対的に低い両地区から住民の帰還を進め、町再生の足がかりにしたい考えだ。

 ただ、このエリアは避難指示が続く町中心部から約4キロ離れており、1月末時点で住民登録しているのは全町民の約4%、140世帯374人だ。町は4月の解除を目指し、住民説明会を開いている。9、10の両日は県内3カ所で開き、渡辺利綱町長は「町再生の歩みをさらに進めるためにも、一日も早く避難指示の解除を実現したい」とあいさつした。

 2月中旬、町に帰還予定の元病院職員伏見明義さん(68)は槌(つち)音が響く大川原地区の災害公営住宅を訪れ、「木の匂いがいいな。仮設住宅暮らしが長かったから」とうれしそうに話した。

 2011年3月12日、大川原地区から東に10キロの第一原発1号機で水素爆発が起きた。14日には3号機、15日には4号機で爆発。全町民1万1500人が避難を強いられ、8年経つ今も、いわき市など県沿岸部に約5200人、事故後に仮役場を設置した会津地方に約900人など県内外にバラバラに避難している。伏見さんもその一人だ。

 「不安なことは、そりゃたくさんあるよ。でも『戻らない』っていう選択肢はないんだ。だってここが俺の古里なんだもの」

 ■「新しい町」、廃炉作業…

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