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 人手不足に長時間労働と、コンビニエンスストアの現場は多くの課題を抱えている。コンビニの本部と加盟店は、問題をどう解決するべきか。中央労働委員会が異例の注文を発した。

 コンビニの本部と加盟店の間には交渉力に格差があり、適切な問題解決のしくみの構築が必要で、「とりわけ、会社側における配慮が望まれる」。

 セブン―イレブンとファミリーマートの店主らでつくる「労働組合」が救済を求めたのに対し、中労委は、加盟店主に労働組合法上の団体交渉権は認めなかったものの、本部側の姿勢を問題視した。

 中労委は事前に、和解を勧告した。加盟店主側によると、店主がまとまって協議する場をつくるとしていたが、本部が拒否した、という。

 加盟店主らは、団交権を認められなかったことを不服として、東京地裁に行政訴訟を起こす方針だ。

 訴訟の行方にかかわらず、本部は、加盟店主に共通する課題や意見をぶつけあえる協議の場を、早急に整えるべきだ。

 高騰する人件費の負担も、人手不足の際の客の応対も、加盟店主にのしかかる。24時間営業を続けられるのか、本部と加盟店が契約を更新する際のあり方など、検討しなければならない課題は山積する。

 今回の問題では、中労委の前に岡山県と東京都の地労委が団交権を認めていた。結論は覆ったが、加盟店主は会社が求めるサービスの提供を拒むことは難しく、「一対一で交渉できる余地がない」などと、いびつな関係を指摘した点は同じだ。

 2009年には、値引き販売をめぐって、公正取引委員会がセブン―イレブン・ジャパンに独占禁止法の優越的な地位の乱用を認定し、本部側も「行き過ぎの言動があったかもしれない」と認めていた。

 今度こそ、問題を克服しなければならない。

 ローソンには、全加盟店が加入する理事会があり、代表である理事は社長ら本部役員と年2回意見交換の場がある。社長に直接メールや電話で意見を言う加盟店主もいるという。

 セブンやファミマも協議の場を育て、声に耳を傾け、実効性を高めていったらどうだろう。拒む理由はないはずだ。

 本部と加盟店主の関係や、対立した際に調整する枠組みなどを、法的に担保するしくみの整備も検討課題だろう。

 社会のインフラと言われるコンビニが安定的に続いていくためにも、知恵をしぼりたい。

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