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 統一地方選が始まった。

 きのう告示された11道府県の知事選をはじめ、41道府県議選と政令指定市の6市長選、17議員選が4月7日に投票される。

 その他の市区町村長選と同議員選の投票日は4月21日。

 これから1カ月間に、全国で千近い選挙がある。

 人口減、高齢化、人手不足、耕作放棄地や空き家の増加、公共施設の老朽化など、各地の課題はさまざまある。

 どう打開するのか。住民が考え、判断を示す好機といえる。

 だが、投票率は低迷が続く。4年前の知事選は平均で47・14%にとどまり、初めて5割を切った。道府県議選は45・05%。市区町村長選と同議員選もほぼ同じレベルで過去最低が相次いだ。いずれも80%を超えた約70年前とは隔世の感がある。

 政党にとって知事選は、国政選の中間選挙的な意味もある。今回は福井、島根、徳島、福岡で保守が分裂。一方で、与野党の全面対決は北海道だけ。野党の足腰の弱さが際だつ。

 これでは、今夏の参院選の野党連携も見通しにくいし、投票率の大幅な上昇も望めまい。

 道府県議選の投票率も4年前は、41のうち38道府県で過去最低だった。

 栃木は1979年以来、10回連続で最低を更新中だ。青森、群馬、長野も9回連続、秋田は8回、山形、石川が6回、鳥取が5回など軒並み最低記録を塗り替え続けている。

 近年の地方選では、なり手不足や無投票当選の増加も大きな問題だが、なかでも投票率の低下は深刻だ。有権者がみずからの権利を放棄する点で、民主主義の根幹にかかわる。

 「地方自治は民主主義の最良の学校」という。住民が身近な地域の課題を通じて、社会や政治のあり方を学べるからだ。

 自治の現場には、国政にない制度がある。住民が首長を解任し、議会も解散できる点だ。自治は首長、議会、住民の三者の緊張関係で成り立っている。

 理由はどうあれ、棄権は結果的に「白紙委任」と同じで、あるべき緊張関係を損なわせている。現状は看過できない。

 2年前の公職選挙法改正で、この統一地方選から首長だけでなく、道府県議選と市区議選でも政策ビラをつくれる。候補者には、課題への対処法を明示して、訴えることを期待する。

 そうすれば、名前の連呼だけの選挙戦より関心が高まり、投票率も上がるのではないか。

 ぜひ、有権者には多くのビラを読み比べて、投票先を選んでほしい。

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