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 きのう告示された41道府県議選で、過去最多の「無投票当選」が決まった。

 その数は全選挙区のほぼ40%にあたる371区で、総定数の約27%の612人にのぼる。

 選挙区数、人数とも、4年前に続いて最多を更新した。

 岐阜、香川、広島、熊本、愛知では、4月7日の投票日を待たずに、定数の4割以上の顔ぶれが決まった。

 議会は行政監視を担うとともに、予算や事業の最終決定権を握っている。首長と並び、自治の「車の両輪」といわれる。その権力の源泉は、選挙での有権者の支持、つまり民意だ。

 無投票が増える現状は、議会と民意の関係を希薄にしてしまう。このままでは、有権者が選挙で権力を形づくる民主主義の基礎が朽ちてゆくばかりだ。放置していてはいけない。

 無投票が増えた理由のひとつに、大政党に有利な1人区、2人区が全体の7割を占める選挙区割りがある。過疎化に伴う定数減などで、70年前は2割弱だった1人区が4割に増えた。強固な地盤を築く現職に、新顔が挑みにくい構図が広がる。

 野党の弱体化も一因だ。知事選での相乗りが目立つ野党は、議員候補者も減らしている。それが福岡市東区(定数5)、広島市西区(同4)など定数3以上の選挙区での「無投票」が50カ所に達する結果を招いた。

 12年前、政権交代をめざす民主党は476人を立てたが、今回は立憲民主と国民民主を合わせて300人に届かない。

 下げ止まらぬ投票率が象徴する関心の低さもある。市町村議員ほど身近でなく、国会議員ほどは目立たない。道府県議の仕事の中身を知らない有権者が多いのではないか。

 現状を打開するため、選挙の仕組みから見直してはどうか。

 たとえば、1人区と2人区は広域行政の視点から「合区」を大胆に検討すべきだ。一方で、定数10を超す県庁所在地の大選挙区は分割した方がいい。

 違う視点の改革論もある。

 2年前、大学教授らでつくる総務省の「地方議会・議員に関する研究会」は、都道府県議選への「比例代表選の導入」を提言した。地域政党も含めて政党化がすすむ実態や、選挙区割りの見直し作業の難しさなどを踏まえたアイデアだった。

 比例代表にすれば、政党に政策本位の政治を促せるし、女性を増やすといった候補者の多様化も図りやすい。検討に値する一案だと考える。

 現在の制度を続けているだけでは、展望は開けない。

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