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 大学入試センター試験の後を継ぐ「共通テスト」まで2年を切った。だが2度の試行調査の結果、出題の仕方などに多くの課題があることが明らかになっている。改善したうえで、もう一度「予行演習」の機会を設け、受験生の不安を解消、軽減すべきではないか。

 新テストは、単なる知識・技能ではなく「思考力・判断力・表現力を測る」と掲げ、従来との違いを打ち出した。国語と数学に短文や式を書かせる記述式問題を導入するほか、複数の文章や図表を示すなどして「考えさせる」設問を増やす。

 昨年秋の試行調査について、大学入試センターが専門家に意見を聴いたところ、この新機軸にかかわる部分に批判や注文が集中した。「テーマや資料を盛り込みすぎ」「問題文が必要以上に複雑」「読ませる量が多すぎる」といった具合だ。

 数学や理科の一部科目の平均点は3割台にとどまり、現行センター試験の5~6割よりかなり低かった。得点分布が固まると力の差が表れにくいため、選抜試験としての役目を十分に果たせなくなりかねない。

 文部科学省には、新入試をテコに高校の授業を改革したい思いがある。だが理念が先走りすぎて、「使えない試験」になってしまっては本末転倒だ。

 各大学の個別入試が担うべきものまで盛り込んだことによる無理も生じている。

 典型は国語の記述式問題だ。表現力を測るといいながら、実態は与えられた条件に合うように短文を作るだけで、採点基準も機械的だ。加えて試行調査では、自己採点と実際の採点との「一致率」が7割程度にとどまるという結果も出た。

 この開きが大きいと出願先を決める際に混乱を招く。やはり各大学で小論文を課す方式を追求するほうが、受験生、大学双方にとってよいのではないか。

 英語をめぐっても、会話力重視のかけ声の下、複数ある民間試験を使うことが決まったが、採点の公平性に対する疑念はぬぐえず、利用を当面見送る大学が出ている。

 実施が迫り、今さら方針転換は難しいとはいえ、このまま本番を迎えてよいとは思えない。入試センターはこれ以上試行調査はしないというが、新テストのイメージを受験生と共有する手立てを講じる必要がある。

 導入後の検証も欠かせない。指導要領の改訂を受け、24年度に新テストの科目再編がある。あわせて英語や記述式のあり方も再検討してはどうか。各大学も、学生にどんな能力を求め、新テストと個別入試をどのように組み合わせてそれを見極めるか、議論を深めてほしい。

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