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 レオパレス21が建設したアパートで、建築基準法に合わない施工が大量に見つかった。多くの居住者が引っ越しを迫られる事態になっており、徹底した原因の究明と責任の追及、再発防止の取り組みが必要だ。

 昨春、火事の際に延焼を防ぐための天井裏の仕切り壁がない物件があることが発覚。これまでに、屋根裏の仕切り壁がなかった1328棟を始め、約7千棟で不備が見つかった。さらに仕切り壁や外壁の部材や、天井の施工に問題がある物件も多数あった。建築基準法などの法令違反の疑いがあるとしている。

 このうち天井の耐火性に問題がある641棟は特に危険と判断。補修工事のために退去を求めているが、3月末までに引っ越しが終わったのは自社管理の対象戸数の26%、予定日が決まっていたのが18%にとどまる。

 レオパレスは2月末に第三者による外部調査委員会を設けた。3月の中間報告では、仕切り壁の不備に関して「開発・施工の態勢のずさん・脆弱(ぜいじゃく)さだけでなく、意図をもって組織的に行われていたのではないかと疑われる」と述べている。

 一部で設計と異なる部材が使われていた問題では、「(創業者でもある)当時の社長の指示の下、開発が行われた」と指摘。社長直轄の開発態勢が法令や品質を軽く見る原因・背景になっていたとの見方も示した。

 調査途上とはいえ、いずれも企業体質に重大な疑念を突きつける内容だ。居住者の安全に関わる問題も含まれており、事態の全容を明らかにしなければならない。過去の関係者も含め、会社側は調査に最大限協力すべきだ。

 レオパレスは73年に創業し、90年代に「一括借り上げ」のビジネスに乗り出した。土地所有者からアパートの建築を請け負うだけでなく、そのアパートを一括で借りて自社で賃貸をするという「サブリース」の手法だ。00年代にかけて急成長を果たしたが、今回の問題はこの時期に起きていた。

 当時の社長は06年に資金の不正運用問題で辞任している。だが、現社長も90年から取締役、96年からは常務を務めており、現経営陣の責任も重い。今回の問題を機に、企業体質を総点検すべきだろう。

 不備が判明した物件については補修を急ぎ、居住者の引っ越しなどについて万全の態勢をとるべきだ。所有者の様々な不安にも丁寧に応える必要がある。

 国土交通省は今回の問題を受け、有識者による再発防止策の検討会を設けた。なぜこのような事態の横行を許してしまったのか、制度に穴はなかったのか。洗い直しが急務だ。

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