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 地方議員のなり手不足が、統一地方選であらわになった。

 前半戦の41道府県議選で定数の3割近くが無投票当選だったのに続き、後半戦の市議選でも候補者数が大幅に減った。

 きのう告示された町村議選も深刻な事態だ。全国の375議会のうち93、総定数の約23%が無投票で当選した。

 そのうえ、候補者が定数割れした議会が8にのぼった。

 こんな現状が放置されていいわけがない。地方議員の人材確保に手を尽くすべきだ。

 道府県議選の無投票は、選挙区事情が大きい。大政党に有利な1人区を減らすなどすれば改善が期待できるだろう。

 だが、人口減の著しい市や町村の議会は事情が違う。

 2年前に高知県大川村が議会を廃止して、有権者全員で話し合う「町村総会」の検討を始めるなど、議論はされてきた。

 総務省の有識者会議は昨年、議会改革案として、少数の専業議員による「集中専門型」と、兼業議員中心の「多数参画型」の2類型を提案している。

 参考にはなるが、現場には地域の実情に応じた手立てがあるはずだ。それらを実行すれば、事態は打開できるに違いない。

 たとえば、低い議員報酬をどうするのか。町村議員の平均月額は21万円余で、家族を持つ人は二の足を踏みがちだ。ならば生活できるだけの報酬と、それに見合う定数にすればいい。

 それには住民の理解が要る。首長の追認機関ではなく、報酬に値する役割を果たさなければならない。

 第一歩として、議員の仕事を徹底的に公開し、住民と連携することが求められる。

 先進例はある。北海道福島町は毎年、「議会白書」で議員活動を詳細に報告している。

 長野県飯綱(いいづな)町は「政策サポーター」として住民に政策づくりへの参加を求め、延長保育料の一部無料化などを実現させた。

 こうした努力ができるかどうかが問われる。

 全国町村議会議長会の有識者委員会は所得損失手当、育児手当などの創設を唱えている。地方自治法の改正が必要だが、検討に値する案だと考える。

 議会運営も見直そう。かつての名残で、定例会はいまも農閑期に開かれている。通年議会にして、休日や夜間の協議を増やすなど、いまの働き方に合わせるのは当然だろう。

 このほか、女性議員を増やす努力、兼業禁止の緩和、議員活動のための休職制度の充実なども現状打破の原動力になる。

 自分の勤務先以外の自治体なら、地方公務員が議員になれる制度づくりなど、工夫の余地はいくらもある。

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