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 またもや「政治とカネ」にまつわる問題である。政令指定市の市長をめぐる、巨額の政治資金の不明朗な出入りだ。

 堺市の竹山修身(おさみ)市長が、自らが関係する三つの政治団体の12~17年の政治資金収支報告書で、2億円を超す記載漏れがあったと市議会に報告した。2月に問題が発覚し、3月に議会に報告書を出したが、不備が目立ち再調査を求められていた。

 大阪府選挙管理委員会にもともと届け出ていた金額は、収入と支出の合計で2億4500万円だった。記載漏れは計2億3400万円で、収支の総額は2倍近くに膨らんだ。

 その多額さに驚くばかりだ。竹山氏は「事務的なミスで、私的流用はない」と話すが、説得力に欠ける。市長には、詳細を明らかにして疑念を晴らす責任がある。それができないようなら、職にとどまる資格はない。

 竹山氏は今回の議会への報告書を「最終版」とするが、内容には腑(ふ)に落ちない点が多い。

 後援会が開いた政治資金パーティーに関しては、市長選直前の17年7月開催分の収入を、最初の届け出から約4倍の3400万円余に改めた。会計の実務を担当した次女がパーティー券購入に伴う金融機関への払い込み通知を適切に保管しておらず、記載が漏れたというが、堺市民は納得するだろうか。

 三つの政治団体間の資金移動も、新たに数千万円増えた。各団体の銀行通帳をもとに精査したと釈明するが、通帳は公表していない。

 市長は17日の記者会見では具体的な回答を拒み、議会に説明すると語った。真相を明らかにできるかどうか、市議会も市民代表としての責任と力量が問われていると自覚してほしい。

 今回の問題であらためて浮き彫りになったのは、収支の公開を柱の一つとする政治資金規正法の不備だ。

 パーティー券の購入では、1回あたり20万円以下なら、支払者の氏名などを報告しなくてすむ。支出に関しても領収書の添付が必要なのは一定の金額以上に限られる。政治活動を国民の不断の監視と批判の下に置き、公明と公正を確保する――。そううたう規正法の目的が果たされているとは言いがたい。

 政治とカネの問題は他の自治体でも深刻だ。16~17年に富山県内で政務活動費の不正が発覚し地方議員が相次いで辞職、最近も富山市議会の議長が交代するなど、根絶にはほど遠い。

 規正法を改正し、資金の流れをガラス張りにする。報告書だけでなく領収書など関連資料もネットで公開し、市民の目が届くようにする。そうした取り組みを続けなければならない。

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