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 東京都大田区長選と神奈川県大和市長選で多選や「多選自粛条例」が論点の一つになっている。いずれも自粛条例で「任期は連続3期まで」としていたが、4選を目指して立候補したためだ。

 「経験を誰が持っているのか」。告示日の14日、現職の松原忠義氏(76)=自民、公明推薦=はJR蒲田駅前で、3期12年の実績を強調し、続投に理解を求めた。

 自民都議を経て2007年に区長選で初当選。その年に自らの任期は「連続3期を超えないよう努める」とする条例案を議会に出し、成立にこぎ着けた。

 その後、当選を重ね、3期目終盤の昨年11月、4選を目指す考えを表明した。条例の廃止案を議会に出し、可決された。

 松原氏は、条例廃止への迷いを口にしつつも、空港関連施設の跡地開発や京急と東急を結ぶ「蒲蒲(かまかま)線」の整備などを挙げて「正念場にある課題で、色々な手続きが必要だ。1期目に考えていたよりも時間がかかってしまった」と明かす。

 支持者も「長さが問題なんじゃない。(在任中に)何をするかだ」「変革時に区長が代わってはダメ。確実に解決できる区長が必要だ」と後押しする。

 対立する新顔候補2人はこうした姿勢に批判的だ。

 東大名誉教授の神田順氏(71)=立憲民主、共産など推薦=は「自分で『多選は弊害だ』と気付きながら、なぜ続けるのか」とし、自粛条例の廃止について「政治姿勢を覆すのはおかしい」と語る。前区議の岡高志氏(43)も、すでに多選の影響が出ているとして「行政組織が停滞している原因」と主張している。

 ■「求められた」 神奈川・大和市長も

 現職と前市議が一騎打ちの神奈川県大和市長選もほぼ同じ構図だ。

 現職の大木哲氏(70)は07年に初当選。翌年、任期を連続3期までとする努力規定を条例で定めた。今回の市長選で、大木氏は3月中旬、「多くの市民から求められた」と4選を目指す考えを表明。実績を強調する大木氏に対し、前市議の二見健介氏(41)は、大木氏が条例を順守せず立候補したことを批判している。(小林直子、金山隆之介)

 ■連続4期以上、10年で2倍に

 総務省によると、連続4期以上務めている知事や市区町村長の数は、この10年で倍増している。

 2008年末時点で、4期以上の知事は7人、市区長は47人、町村長は100人で合計154人だった。それが2018年末は、知事13人、市区長139人、町村長185人で合計337人と2・2倍になり、特に市区長は3倍近くに増えている。

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