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 1965年に83歳となった坂本繁二郎はすっかり視力が落ち、自宅から約1キロ離れたアトリエに通うこともままならなかった。思うように絵筆も振るえず、さぞ悔しい思いを抱いていたに違いない。

 ある日、アトリエを整理している時に、描きかけの牛の絵を偶然見つけた。東京に住んでいた1919年ごろに描き始めたも…

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