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 学校法人・東洋英和女学院(東京都港区)の深井智朗(ともあき)前院長(54)の著作と論考に捏造(ねつぞう)や盗用があったと学内の調査委員会が認定し、深井氏は懲戒解雇処分になった。近年、相次いで重大な研究不正が発覚し、文部科学省は防止の取り組みを強めている。今回の教訓は何か。

 ■公開質問状契機に調査/文科省、仕組み作り促す

 学術的・社会的影響は極めて大きく、行為も極めて悪質――。調査委は、「カール・レーフラー」という架空の人物による架空の論文を基に論理を展開した深井氏の不正を厳しく指弾した。人文・社会科学系の不正で多いのは「コピペ」と言われる盗用だが、今回は異例とも言える捏造が認定された。

 研究不正を防ぐ手段としては、同じ専攻の研究者による発表前の査読がある。学術雑誌はそのようなチェックを期待されているが、人文・社会系は単行本も主要な発表手段で、査読を経ずに出せてしまう。今回不正が認定された著作と論考はいずれも岩波書店が刊行したが、専門家の事前のチェックは必要ない発表形式だった。

 発表後も、不正発覚までは長い時間がかかった。

 問題となった著作『ヴァイマールの聖なる政治的精神』は2012年の刊行だ。北海学園大学の小柳敦史准教授(ドイツキリスト教思想史)がその一部に「創作」の疑いがあると昨年、学会誌で公開質問状を出したことが、今回の調査につながった。小柳氏は刊行の翌年、学会誌で書評を担当した際、「出典が明らかにされない引用」などを指摘したが、その時は、「もう相手にしないでおこう」と考えた。

 転機は、ドイツ史などの研究者…

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