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 4人に1人以上が外国生まれのオーストラリアで、与党・保守連合政権が18日の総選挙を前に、移民受け入れ抑制策を打ち出した。大都市の人口過密化が理由だが、多様性を大事にしてきた社会に矛盾するような動きには批判も出ている。(シドニー=小暮哲夫)

 ■都市部で人口増、住宅が高騰

 シドニー中心部から西に電車で30分の住宅地、ストラスフィールド地区で駅前を行き交う人々は、アジア系や中東系が目立つ。

 「この国のルールを守れるなら移民を受け入れるべきだ。人は人でしょ」

 トルコ出身で、豪州に住んで10年になるマット・イルマズさん(34)は新たな移民抑制策に不満げだ。

 政府は3月、2012年から設けてきた永住権を与える移民の受け入れ枠を、年19万人から16万人に減らすと発表した。モリソン首相は「都市部の人口増による混雑の問題に取り組む」と説明した。

 政府の統計局が17年6月までの1年間で分析したシドニーの人口増加要因は、83・9%が移民。人口約4万人のストラスフィールドでも豪州生まれは37%にすぎず、インドや中国、韓国など外国生まれが多数を占める。

 人口増は住宅価格に影響する。不動産情報サイト「ドメイン」によると、シドニーの戸建て住宅の平均価格(3月)は約102万8千豪ドル(約7800万円)で、5年間で20万豪ドル上がった。

 ストラスフィールドに住んで39年の英国系白人、ポーリン・フラーさん(65)は「笑ってしまうほど家賃が上がった」と話す。20年前は週165豪ドル(約1万2500円)。今は440豪ドル。受付の仕事をする病院へ通う電車は「混雑していて、駅員に『次の電車を待って』と言われる」。移民抑制には賛成だ。

 政府は地方に住んで働くことを条件にする就労ビザの創設も3月に発表した。このビザだと、永住権申請は地方に3年以上住むことが条件。「永住したいなら、しばらく地方に住みなさい」という制度だ。

 ストラスフィールド駅前で友人を待っていたネパール人のラフル・クンワルさん(19)は、情報技術の専門校に留学中。将来は豪州で就職し、永住権を取って国籍も、と考えているが、「状況が厳しければ故郷に戻らないといけなくなるかもしれない」。

 中国系移民2世の大学生ヘレナ…

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