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 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却を巡る問題は、依然として核心部分が闇のままだ。行政の公平性をゆがめ、国会の審議を傷つけたのではないかとの疑念は晴れていない。

 そのことを改めて思い起こさせる司法判断が示された。売買契約の開示請求を受けた国が当初、売却額を非公開にしたことについて、大阪地裁判決は違法だとして賠償を命じた。

 原告の大阪府豊中市議は、地元での森友学園による小学校開設計画を知り、土地を売った財務省近畿財務局に情報公開を請求。財務局が金額などを黒塗りにして開示したため、17年2月に提訴した。その後、売却額は1億3400万円で、鑑定価格からごみの撤去費として8億円余も値引きされていたことがわかった。

 売却に関する決裁文書の改ざんまでが行われ、財務省幹部の辞任へとつながった一連の展開の発端となった問題である。

 売却額を伏せた理由について、国は「学園が不当に低廉な金額で土地を取得したとの印象を与える」という、驚くべき主張をした。判決はこれを一蹴し、国の対応が原則から逸脱しており、異様さが際立つことを次の通り指摘した。

 国有地は国民共有の財産で、財政法は適正な対価での譲渡を求めている。価格の客観性を保つため、旧大蔵省の99年の通達に沿って金額などの契約内容は公表されている。16年度までの4年間に同種の随意契約で国有地が売却された104件のうち、契約額が非公表とされたのは森友の例だけだった――。

 市議は裁判で価格決定の経緯を知る財務局職員の証人尋問を求めたが、国は「体調不良」を理由に拒んだ。なぜかたくなに口を閉ざそうとするのか。小学校の名誉校長に安倍首相の夫人、昭恵氏が就いていたことが関係しているのか。改めて疑問が膨らむ。

 判決は一方で、契約書のうち地中にごみがあることに触れた特約部分も財務局が非開示としたことについて、違法ではないとした。財政法の趣旨に照らせば公開すべきだとの見解も十分にありうるとしながら、保護者が子どもの入学を思いとどまるなど学園の利益を害しかねないとした論理は理解に苦しむ。

 大幅値引きが適正だったかどうかの判断には、地中のごみの量の算定が不可欠だ。判決は国の資料を前提に「相当量のごみがあったと認められる」としたが、見積もり作業のずさんさは今年の国会でも追及された。

 政府が国民への説明責任を果たさないのなら、それをただすのは国会の役割だ。その自覚と徹底審議を繰り返し求める。

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