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 先週から始まった防災情報の発表方法の見直しを、避難行動に確実に結びつけたい。

 大雨・洪水や土砂災害の際、これまでの「ことば」による発信に加えて、警戒レベルを5段階の「数字」で示すことになった。気象庁と全国の自治体が順次取り組んでゆく。

 昨年7月の西日本豪雨では、各自治体から最大で860万人に避難勧告などが出された。ところが実際に避難所に移動したことが確認された人は、わずか0・5%だった。

 「いつ逃げたらいいのか分からない」「情報が多すぎる」。そんな声を受け、危険度をよりわかりやすく伝えるために考えられたのが今回の措置だ。

 気象庁が出す大雨警報などは「レベル3」に当たり、子どもや高齢者は避難する。自治体による避難勧告と避難指示はともに「レベル4」で、全員が避難する。「レベル5」は既に災害が発生した段階で、それぞれ命を守る最善の行動をとる――。そんな整理になっている。

 「5段階のうちの『4』だから、まだ余裕がある」といった誤解を生まないよう、関係する機関は数字がもつ意味をくり返し丁寧に説明し、定着・普及を図る必要がある。

 留意すべきは、これらの情報も一定の広がりをもつ地域に出されるもので、現実のリスクは地区や住民によって異なるということだ。川や山、避難所までの距離などによって、取り得る行動も変わってくる。

 自分の命は自分で守る。この基本を改めて認識しよう。

 時間雨量50ミリを超える例が頻発するなど、雨の降り方が局地化・激甚化している。一方で総務省によると、全国の市町村の3割で防災部門に専従職員が配置されず、4割は1~4人にとどまる。これでは正確な情報を集めることすら難しい。

 「皆さんの命を行政に委ねないで」「避難するかしないか、最後は『あなた』の判断です」

 西日本豪雨を受けて昨年末にまとめられた中央防災会議の作業部会による報告書は、くどいほど「自助」の大切さを強調している。行政主体の防災の限界を意識してのことだ。

 もちろん近隣市町村との間で応援体制を整えたり、消防団をはじめとする地域との連携を深めたりするなど、自治体の努力は引き続き必要だ。だが住民の側も、日ごろから地区の事情を頭に入れ、災害時には刻々と変化する情報を入手・活用する習慣をもつようにしたい。

 今回の「レベル化」が人々にどう受け止められ、どんな結果をもたらしたか。政府はしっかりフォローし、必要に応じて見直すことも忘れないでほしい。

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