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 プラスチックごみを世界でどう減らしてゆくか。この問題は、間もなく日本で開かれるG20の閣僚会合とサミットの主要テーマのひとつだ。

 汚染は地球規模で広がり、とりわけ海洋に流れ出たものが生態系に与える影響に懸念が集まっている。一部の国だけで解決できる話ではなく、国際協調を急ぐ必要がある。

 しかし、削減のための包括的な条約や国際ルールはない。今回のG20で枠組みづくりに合意できるか、議長国・日本の外交手腕が問われる。

 日本は1人当たりの使い捨てプラごみの発生量が、米国に次いで2番目に多い。その意味でも大きな責任がある。

 政府はG20を前に海洋プラごみ削減の行動計画をまとめ、原田環境相はレジ袋の無料配布を禁じる方針を示した。これらをてこに安倍首相は「リーダーシップを発揮する」と意気込む。

 だが自らの取り組みをアピールするだけでは、議長国の務めは果たせない。そもそもレジ袋規制は他国より遅れていて、胸を張れる施策ではない。求められるのは、建設的な提案をして議論を主導することだ。

 国別にプラの生産量と使用量の削減目標を定める。その進み具合を点検し、汚染の現況を監視する体制を整える。途上国に技術や資金の支援をする――。検討すべき課題は多い。

 立場を超えて各国に足並みをそろえてもらえるよう、利害を調整しなければならない。

 特に重要なのは、米国を引き入れられるかどうかだ。

 トランプ政権は環境政策に後ろ向きで、昨年のG7サミットで海洋プラごみ削減の国際憲章に署名しなかった。日本も同調して批判を浴びたが、今度こそ首相は大統領に問題の深刻さを説き、翻意を促すべきだ。

 事態は切迫している。先進国と途上国の間で利害の対立が火を噴き始めているのだ。

 一昨年末、中国が廃プラの受け入れ禁止に転じた。かわって東南アジアに日本や欧米から廃プラが大量に押し寄せており、各国が態度を硬化させている。

 マレーシアは、違法に持ち込まれたプラごみ450トンを日米などに送り返すと発表した。フィリピンでも、カナダ企業がリサイクル用プラとして輸出した2千トン超のごみが港に放置され、ドゥテルテ大統領が「戦争も辞さない」と声をあげた。

 有害廃棄物の国際移動を規制する条約が5月に改正され、再来年から汚れた廃プラも対象になる。対策を急がなければ新たな火種になりかねない。

 「19年が問題解決の画期になった」と、後に評価されるようなG20にしてもらいたい。

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