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 インターネットでデータをやりとりし、国境を越えて企業が利益をあげる時代に、法人税はどうあるべきか。

 主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が、法人税の世界共通のルールを見直す方針を確認した。

 具体的な制度設計では各国の主張に開きがあり、麻生財務相も「税は国家主権の極み。合意はなかなか簡単ではない」と認める。しかしデジタル時代に合わせた税制の改革は欠かせない。合意点を見いだしたい。

 現在のルールは主にモノを作ったり売ったりすることを前提にしていて、工場や支店など拠点ごとの利益に税金をかけることになっている。

 GAFA(ガーファ)と呼ばれるIT大手のようなビジネスモデルは想定しておらず、音楽のダウンロードやオンライン広告などで利益をあげても、その国に拠点がなければ課税できない。

 デジタルサービスの利用者がいる国が、IT大手に課税するためのルールが必要だ。

 議論の土台として具体策を考えている経済協力開発機構(OECD)は3案を公表している。IT大手が自国にあるかないかにより、考え方は異なる。

 英国は、SNSや検索エンジンの利用数などをもとに課税することを提案する。IT大手が、利用者の提供する個人データをつかって利益をあげている側面に、着目したものだ。

 インドは、それぞれの国での売上高などをもとに、簡単に課税することを求めている。

 一方、GAFAを抱える米国は、利用数などで単純に課税することには懸念を示す。多くのデータも、分析してはじめて、マーケティングなどへの利用価値が生まれるからだ。こうした考え方も踏まえ、利用者のいる国における企業のブランド力などを「無形資産」ととらえて課税することを提案し、IT以外の企業にも適用すべきだと主張する。

 どの案も、それぞれの国の利害を反映しているようにみえる。そうであっても、いまのルールでは、企業がデジタルの世界であげた利益に対してどの国も十分に課税できておらず、見直しは避けられないと考える点では一致する。歩み寄りの余地はあるはずだ。

 G20は、法人実効税率の最低水準を決めることも確認した。水準を下回る国にある子会社の利益は、親会社の利益と合算して、親会社のある国が課税することにする。税率が極端に低い国をなくし、課税逃れを防ぐねらいだ。

 来年1月の大筋合意をめざすというG20の目標に向け、世界が一致して作業を急ぎたい。

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