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 主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の舞台となる大阪では、厳戒態勢で準備が進んでいる。

 メイン会場は大阪市湾岸部の人工島・咲洲(さきしま)(同市住之江区)にある国際展示場「インテックス大阪」。会場周辺には高さ約3メートルのフェンスが張り巡らされ、あちこちに警察官が立って目を光らせている。付近には約2万人が暮らす団地があり、府警は外出の際は身分証などの携帯を求めている。期間中に会場近くを歩けば「必ず職務質問を受ける」(府警の警備担当者)というほどの緊張感だ。近くに住む無職の男性(77)は「散歩するのも大変そうなので、サミットの期間は島から出ようかと言っている人もいる」と話す。

 G20サミットには37の国や国際機関のトップが集まる。市内の主要ホテルに滞在する予定だ。このため、開催期間の28、29日を中心に、市内では大規模な交通規制が実施される。

 一般道では、首脳らが宿泊するホテルがある地域など9エリアで、首脳らの移動時間帯にあわせて一時的に通行止めとなる。阪神高速では、最長で早朝から深夜まで通行止めにする予定。一般道の大混雑が予想され、府警は不要の外出を避けるよう呼びかける。

 交通だけでなく、日常生活に様々な影響が出そうだ。府内の700近い幼稚園や小中高校などでは通学の安全確保のため、27、28日は休校となる。日本郵便は交通規制がある期間は、近畿地方を発着する宅配便「ゆうパック」などに1~2日程度の遅れが出る見込みだと発表。日時指定の郵便や「保冷ゆうパック」の差し出しは期間中控えるよう呼びかけた。

 増え続ける外国人観光客らにも大きな影響を与えそうだ。空の玄関口である関西空港と大阪(伊丹)空港では27~30日、空港とUSJや難波などを結ぶリムジンバス計15路線を全便運休。大阪城天守閣は27、28日に休業し、歓楽街・飛田新地でも28、29日の全店休業を決めた。府内や関西の主要駅では、すべてのコインロッカーとゴミ箱が使えなくなる。市幹部は「外交問題にもなりかねないし、失敗は絶対に許されない」と話す。

 都市機能がまひするほどの厳戒態勢だが、府と市がG20サミットの誘致にこだわったのには理由がある。大阪は各国首脳クラスが集う国際イベントの誘致で敗れ続けてきたからだ。2000年、08年にはG8サミットに手を挙げたものの落選。さらに五輪誘致も目指したが、これも開催を逃した。

 大阪市に世界のトップ級が集う国際会議の開催は、1995年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)開催以来、実に約23年ぶりだ。松井一郎市長は「会議の大成功を世界各国のメディアに取り上げていただくことで、さらに大阪へのお客さんを増やしたい」。G20サミットの成功ではずみをつけ、2025年開催の大阪・関西万博に向け、「国際都市」をアピールしたい考えだ。=おわり(野崎智也、半田尚子)

 <訂正して、おわびします>

 ▼21日付NEWS+α面「もっと知りたい G20サミット」の記事で、「(大阪)府内の鉄道全駅と関西の主要駅では、すべてのコインロッカーとゴミ箱が使えなくなる」というのは誤りで、府内で使用できる駅が複数ありました。確認不足でした。