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 日本政府による半導体関連素材などの対韓輸出規制を受け、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は8日、大統領府の首席秘書官・補佐官会議で「前例のない非常事態だ」と述べ、強い危機感を表明した。対抗措置をにおわせる一方、国内で官民による対応策づくりを呼びかけた。文氏が公の場でこの問題に言及したのは初めて。

 輸出に頼る韓国経済のなかでも、半導体は輸出総額の約2割を占める屋台骨だ。半導体製造大手、サムスン電子の実質トップ、李在鎔(イジェヨン)副会長は7日夜、急きょ日本に飛んだ。関係の深い日本企業などと、対応を協議しているとみられる。

 文氏は8日の会議で、輸出規制について「政治的な目的で制限しようとし、韓国だけでなく世界が憂慮している」と指摘。「韓国企業に被害が出た場合、政府として必要な対応を取らざるをえない」と対抗措置を取る構えをみせた。ただ、「そうならないことを望む」とも語り、外交的解決に努力する考えを示して、日本側にも「規制撤回と誠意ある協議」を求めた。

 大統領府の報道官は文氏の発言について「両国の友好関係が損なわれるのを防ぐため、誠意のある協議と措置の撤回を求めたものだ」と解説した。

 規制対象となった素材のなかには半導体製造に欠かせず、日本への依存度が9割を超えるものもある。韓国内では、生産への影響が出れば経済全体に影響を及ぼすとの危機感が強い。文氏は「日本は我々の前を行く経済強大国。常に主張してきた自由貿易の原則に戻ることを望む」とも訴えた。

 一方で、韓国外交省の関係者は8日、安倍晋三首相が規制の理由について「不適切な事案があった」と述べたことに反論。記者団に対し、通常兵器や関連技術の輸出管理のために結ばれたワッセナー協約などを念頭に、「韓国は徹底して義務を順守している」と説明。「国際社会と緊密に協調し、北朝鮮に対する国連の制裁決議についても忠実に履行している」と強調した。

 (ソウル=神谷毅)

 <訂正して、おわびします>

 ▼9日付総合4面「韓国大統領、対抗措置示唆」の記事で、韓国外交省の関係者が記者団に説明したくだりで、国際社会と緊密に「強調し」とあるのは「協調し」の誤りでした。

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