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 選挙って、なぞだらけ!? 読者の困りごとや疑問を取材している朝日新聞「#ニュース4U」が、今回の参院選に向けてSNSで「#選挙のぎもん」を募集した。すると、素朴な問いかけが次々と寄せられた。

 ■選挙ポスター必要? 費用2.2億円、「役立った」9.8%

 寄せられた疑問の一つは、「そもそも選ばれる国会議員の定年は?」。総務省によると、公職選挙法で被選挙権の年齢に上限はない。内規で定める政党もあり、例えば自民党の場合、「特例」もあるが参院比例区の定年は70歳としている。

 「選挙を行うと多額のお金がかかるというけど、何のお金?」。総務省によると、今回の参院選で予算計上した経費は約571億円。大部分が都道府県などの選挙管理委員会への委託費で、公職選挙法に定められた各候補者の選挙運動の費用にもあてられる。

 具体的に「膨大な量の選挙ポスターは、お金の無駄ではないか」と質問したのは大阪府河内長野市の塾講師の男性(69)。

 街中のあちらこちらにポスター掲示場ができるのが選挙の風景の一つだが、総務省は今回の参院選のポスター作製費として約2億2千万円の予算を計上した。ポスターの費用は各候補者がいったん負担するが、選挙後に当選者優先で上限を設けて希望者に交付される。

 選挙の啓発運動をしている公益財団法人「明るい選挙推進協会」(東京)によると、2016年の前回参院選後に有権者3千人を対象にした調査で、「参院選で見たり聞いたりしたもの」(複数回答、有効回答2004人)として回答が最も多かったのが、掲示場の候補者のポスターで46・7%。「役に立った」と答えたのは9・8%だった=グラフ参照。

 ただ、「ポスターをなくすのは更なる投票率の低下を招くのでは」と指摘するのは、選挙プランナーの松田馨さん(39)。ポスターで名前を見て調べる有権者が増えているのか、投票日に選挙情報サイトや候補者のホームページへのスマートフォンからのアクセスが増える傾向があるという。

 スマートフォンの普及に伴ってここ数年、ポスターに自身のホームページのQRコードを掲載する候補者も増えているという。

 選挙カーや街頭で名前を連呼する選挙運動のスタイルも長く変わらないが、松田さんは「政策を読み比べたり、演説を聴き比べたりして判断する有権者が増えれば、ポスターも連呼も廃れていくでしょう」と話す。

 ■アンチ票を投じたい 「落選運動」、前回参院選で注目

 一方、投稿の中には選挙制度に関する提案もあった。投票したい候補者はいないが、当選してほしくない候補者はいる――。東京都多摩市の主婦(44)は「アンチ票(マイナス票)を新設できないか」とLINEに書いた。

 想定するのは、各候補が積み上げる票(プラス票)からアンチ票分が差し引かれる仕組み。「○」ではなく「×」印で有権者が投票する例には、最高裁裁判官の国民審査があるが、過去に罷免(ひめん)された例はない。

 また、アンチ票と似た考え方で、海外では盛んに行われ、日本でも前回の16年参院選で安保法制をめぐって注目された「落選運動」がある。特定の候補者の落選を促す行為は、総務省のガイドラインでも規制はされていない。

 ただ、林大介・首都大学東京特任准教授(政治学)は、対立候補を当選させ、当該候補を落選させる方法を勧める。「アンチ票は面白い考え方だと思うが、じゃあ誰を選ぶのか。落選させても世の中は当選した議員で動いていく」と話す。

 ■政治の話はタブー? 友人と議論「2割」

 「そもそもなぜ、身近な人と政治の議論をしないの?」。こんな疑問を寄せてくれたのは、東京都足立区のフリーデザイナーの女性(38)。政策や選挙について、自身が家族や友人らと話さない理由について、「まず、考えたことがない人が大半で議論にならない。政治的議論が人間関係にも影響するように感じる」とLINEにつづった。

 日常で政治の話題は「タブー」なのか。秦正樹・京都府立大講師(政治心理学)らの研究グループがネット上で実施した16年の調査(16~29歳の男女、計約2千人)では、日常会話で政治を話題にしたり、議論したりする頻度について、「まったくない」と46%が回答した。秦講師は「『政治と宗教と野球の話はしない方がいい』と昔から言われる。周囲と敵対しないため、支持政党を明かさないのが社会でのマナーとされて政党の話が出ない」と指摘する。

 明るい選挙推進協会の16年の15~24歳男女計3千人へのネット調査では、家族との政治についての会話が「よくある・時々ある」が約4割だった。さらに友人とはそれが約2割にとどまった=グラフ参照。

 小玉重夫・東京大大学院教授(教育政治学)は「親子間の会話だけでは、親の政治思想や主義主張が及ぼす子どもへの影響が大きい。友人らと政治について議論し、多様な考え方を身につけることが望ましい」と話す。(波多野大介、山根久美子)

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