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 海外の日本庭園なんて、どうせ「なんちゃって」でしょ、と思ったら大間違いだ。米国北西部オレゴン州にある「ポートランド日本庭園」はまったく違う。

 5ヘクタールの広々とした敷地に四季折々の花が咲き、緑があふれて茶室もある。初夏には、頭上に広がる木々の若葉が日光を透かして美しい。「枝の伸びる向きを計算しつくして手入れをしています」

 福岡県久留米市で造園業の3代目に生まれた。おのずと庭仕事を仕込まれ、高校卒業の頃には一人前の庭師になっていた。家業を継ぎたくない、と青年海外協力隊などでアフリカや中東へ。世界を舞台に働きたいと思い、米イリノイ大で都市緑化を学んだ。だが、行く先々で日本庭園の話や世話を頼まれ、その魅力を再発見した。

 現地の庭園運営会社に入り、2008年に庭を統括する「ガーデンキュレーター」に就いた。「庭園の管理や目利きをして本物の日本文化を紹介する役割」だ。日本庭園を教えるセミナーも開く。

 ただ見学するのではなく「日本」を体験してほしい、と餅つきや月見、菊祭りなどのイベントを年に200回以上催す。年間50万人が訪れ、植栽の手入れや案内など、おそろいのはっぴを着たボランティアがあちこちで働く。

 「庭園は人が集い、ふれあう場所。草の根の外交ができる」。日本庭園の新たな可能性を開きたいという。

 (文・写真 秋山訓子)

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 うちやまさだふみ(64歳)

 <訂正して、おわびします>

 ▼17日付総合2面「ひと 内山貞文さん」の記事で、年齢が69歳とあるのは64歳の誤りでした。取材メモに生年を誤記しました。

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