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 米国との対抗意識をあらわにし、台湾への武力行使の可能性に公然と言及する。こんな強硬な姿勢が地域の不安を高めていることを自覚すべきである。

 中国政府が4年ぶりとなる国防白書を公表した。今世紀半ばまでに世界一流の軍を築く、との看板どおり、軍の「現代化」を急ぐ方針を強調した。

 国際情勢について、米国を名指しで単独主義と呼び、その戦略によって国際的な軍拡競争が生じている、と批判した。昨今の米中対立を意識したようだが、軍拡の責任を一方的に転嫁するのは身勝手すぎる。

 近年の中国の軍事力の膨張は東アジア地域で突出している。今年の国防予算は前年比で7・5%増えて19兆8千億円。日本の防衛予算の4倍近い。

 米軍が近年、南シナ海で「航行の自由作戦」を展開するなど中国への警戒と牽制(けんせい)を強めているのは事実だが、その緊張をもたらしたのは中国自身である。軍拡に加え、近隣海域での強引な振るまいを重ねてきた。

 今回の白書でも台湾への脅しに近い文言が並ぶ。「武力の使用は放棄しない」とし、台湾が独立に向かうならば、「中国軍は一切の代償を惜しまず、国家の統一を守る」という。

 実際、中国は軍事的な圧力を強めている。空母が台湾を周回し、戦闘機が台湾海峡の中間線を越えたこともあった。これまでにない動きであり、地域の安定を揺るがす行為だ。

 南シナ海でも今月、軍事演習で対艦弾道ミサイル6発を発射するなど挑発を続けている。尖閣諸島について白書は「中国固有の領土」と言明し、東シナ海の監視を続けるとした。4年前の白書にはなかった表現だ。

 一方、白書は国防費の規模について他国とのバランスはとれていると主張する。財政支出に占める割合などを根拠にしているが、説得力は乏しい。

 国防費の支出内訳は今回、一部が公表されたものの、不明な部分も多々残る。白書も1998年以降、2年ごとに発表してきたが、2015年を最後に途絶えていた。

 習近平(シーチンピン)体制は「軍民融合」強化方針を打ち出している。人工知能やサイバー、衛星利用といった新たな軍事技術分野において、国防費の不透明性がさらに高まるとの懸念も出ている。

 最近の中国は、貿易問題などで多国間主義を強調し、米国第一主義を非難する国際世論づくりに腐心している。だが、そうした努力を重ねても、今のような軍事姿勢を続ける限り、国際的な信頼は得られまい。

 台湾や周辺地域への威圧行為をただちにやめ、国防政策の情報公開を進めるべきだ。

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