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 2050年までに海に流れ込むプラスチックごみをゼロにする。先月のG20大阪サミットでそんな合意が成立した。

 地球規模で広がるプラごみ問題で初めての国際的な目標だ。議長国として議論をまとめた日本は、今後の取り組みを引き続き主導していく責務がある。

 そのためにはまず、足もとの課題を解決しないといけない。特に急がれるのは気候変動対策との両立である。

 日本では廃プラの86%が有効利用されており、プラごみ対策が進んでいるといわれる。だがこの数字には、サーマルリサイクルと称して焼却されているものがたくさん含まれる。そのとき生まれる熱エネルギーを発電や給湯などに「有効利用」している、という理屈だ。

 海外では通常、こうした一度きりの熱利用はリサイクルとみなされない。サーマルリサイクル分を除くと、日本のプラスチックリサイクル率は27%にとどまり、欧州連合(EU)の平均を下回る。この現実を直視する必要がある。

 忘れてならないのは、熱を有効利用しようがしまいが、廃プラを燃やせば必ず二酸化炭素が発生するということだ。地球温暖化防止のためのパリ協定により、温室効果ガスの大幅な削減が求められるいま、大量の廃プラを燃やし続ける行為が許されるはずがない。

 折しも5月に国際条約が改正され、東南アジアなどへの汚れた廃プラの輸出が難しくなる。それらが行き場を失い、安易に燃やされるようでは困る。対応は待ったなしだ。

 徹底すべきはリデュース(削減)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)だ。この「3R」に努め、それでも残ってしまうものだけを燃やして熱を利用する。焼却は最後の手段だと考えるようにしたい。

 いうまでもなく、3Rのうち本丸はリデュースである。

 家庭のプラごみの多くは自治体が税金で回収して焼却するため、事業者が負担するリサイクル費用は限定的だ。このため使い捨てプラが安価に大量生産され、大量消費される。そして大量のプラごみが捨てられ、どんどん燃やされる。この悪循環を断ち切らねばならない。

 事業者が担うべき責任をより重くし、製品の価格を上げることで使用を抑える。そんな施策を検討してはどうか。植物由来で環境負荷の少ないバイオマスプラへの切り替えや、プラ製品に頼らない生活スタイルの実践など、企業や消費者の取り組みも欠かせない。

 手をこまねいていては、脱プラでも脱温暖化でも世界に後れをとる。そう肝に銘じたい。

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