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 日本と韓国が国交を開いてから半世紀あまり。その歩みの中で両国関係は今、最も厳しく、危うい領域に入りつつある。

 密接に絡み合う産業の足を引っ張り、市民の交流までが寸断される危機をどう克服するか。双方の政治指導者は報復ではなく、修復の策を急ぐべきだ。

 安倍政権はきのう、輸出手続きを簡略化できるリストから韓国を外すことを閣議決定した。安全保障上、貿易相手としての扱いを格下げするという。

 閣議後の会見で世耕弘成経済産業相は「日韓関係に影響を与える意図はなく、何かへの対抗措置でもない」と述べた。

 だが世耕氏を含む政権関係者は7月に輸出規制を発表した際、徴用工問題に言及していた。一連の動きは国際的にも日本による報復と目されている。政府の釈明がどうあれ、日韓関係への打撃は避けられない。

 自治体や市民団体などの交流行事は中止や延期が相次ぐ。7月の半導体材料の輸出規制もあわせ、今後の運用次第では韓国経済を深刻に苦しめ、日本の産業にも影響がでかねない。

 きのうの決定が実施されるのは今月下旬からになる。両国関係に決定的な傷痕を残す恐れがある一連の輸出管理を、日本は考え直し、撤回すべきだ。

 一方、文在寅(ムンジェイン)政権は対抗策として、安保問題で日本との協定を破棄する検討に入った。だが北朝鮮が軍事挑発を続けるなかで、双方に有益な安保協力を解消するのは賢明な判断とは言えない。

 文大統領は、ここまで事態がこじれた現実と自らの責任を直視しなければならない。きのう「状況悪化の責任は日本政府にある」と語ったが、それは一方的な責任転嫁である。

 当面の対立緩和のために取り組むべきは徴用工問題だ。この問題で文政権は、韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じる前から、繰り返し日本政府から態度表明を求められてきたが、動かなかった。

 文氏は、司法の判断は尊重するとしても、行政府としては過去の政権の対応を踏まえた考え方があることを、国民に丁寧に説明しなくてはならない。

 日本政府は、水面下のルートも駆使して韓国側との外交的な話し合いを急ぐべきだ。韓国政府が自国民に静かに語れる環境づくりに、日本側も協力するのが望ましいだろう。

 米国による仲裁は不発に終わった。そもそも同盟管理に消極的なトランプ政権が、どこまで本気か疑わしい。今後の日韓は米国頼みではなく、自立的に問題を解決できる関係を築くほかなく、その意味で今まさに双方の政治の力量が試されている。

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