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 野党がばらばらでは、巨大与党に対抗できない。今回の連携強化を、政治に緊張感を取り戻す一歩とすべきだ。

 立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表が会談し、秋の臨時国会に向けて衆参両院で統一会派を結成することで合意した。

 衆院では、野田佳彦前首相が代表を務める会派「社会保障を立て直す国民会議」も加わる見通しだ。全員が合流すれば、計117議席となり、第2次安倍政権発足後、野党第1会派として最大の勢力となる。

 7月の参院選で立憲は改選議席をほぼ倍増させたものの、比例区の得票は衆院選より300万票以上減らした。「永田町の数合わせにはくみしない」と、独自路線を貫いてきた枝野氏が一転、国民に統一会派を呼びかけたのは、党勢のかげりに対する危機感があるに違いない。

 だが、旧民進党が分裂してできた「多弱」野党が、再び手を組むだけでは、迫力は生まれない。「安倍1強」に対抗し、政治に変化をもたらす、強い意志と実行力が問われる。

 6年半を超す長期政権のおごりと緩みは明らかで、強引な国会運営や公文書の隠蔽(いんぺい)、改ざんなど、立法府をないがしろにする振る舞いが続く。森友・加計問題の解明も、全く進んでいない。国会論戦を軽視し、先の通常国会では、野党からの予算委員会の開会要求に応じぬまま、参院選になだれこんだ。

 枝野、玉木両氏が、統一会派を組む目的として、真っ先に「行政監視という野党としての役割を果たす」ことを掲げたのは当然だ。結集した勢力を背景に、憲法の規定に基づき、まずは臨時国会の早期召集を要求すべきではないか。

 両党の間には、「原発ゼロ」や改憲論議に対する立場などで隔たりがある。しかし、今回は「大きな塊」(玉木氏)をつくることを優先した。両代表の合意文書も「異なる政党であることを踏まえ、それぞれの立場に配慮しあう」と玉虫色だ。

 すべての政策を一致させる必要はないにしても、重要テーマで足並みの乱れを露呈すれば、かえって失望を招きかねない。来たるべき衆院選での共闘まで視野に入れるなら、政策面での調整をいつまでも回避するわけにはいくまい。

 参院選では、旗揚げしたばかりの「れいわ新選組」が比例区で220万票余りを集め、2議席を獲得した。何が有権者の心を引きつけたのか、教訓をくみ取り、今後に生かすべきだ。

 臨時国会で行政監視の実を示し、野党の再生を印象づけることができるか。背水の陣の覚悟で臨むほかあるまい。

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