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 記録的な雨をもたらした台風19号の被災地では、16日朝時点で13都県で約4千人が避難生活を送っている。冷え込みが強まるなか、仕切りのない体育館の床の上での生活は、体調不良につながる。一日も早く改善すべきだ。段ボールベッドや毛布、温かい食事の提供など、国や自治体は民間団体の手も借り、支援を加速させてほしい。

 被災者の支援と同時に、考えておくべきことは多い。その一つが、避難所の一時的な受け入れ能力の問題だ。

 今回の災害では、各地の避難所に住民が殺到し、入り切れない人が続出した。約千カ所に8万人以上が避難した東京都内や、台風15号で被災した千葉、東北でも、車中泊や、遠方の避難場所への移動を強いられた住民がいた。同じ問題は7月の九州南部での豪雨や、昨年の西日本豪雨でも起きた。

 大雨の中を移動するのは危険なことでもある。水害時の避難者数の想定に甘さがないか、各自治体は早急に検証し、受け入れ態勢を見直す必要がある。

 多摩川左岸にあり、4千人近くが避難した東京都狛江市では、当初、1カ所だった避難所を最終的に11まで増やした。今後は商業施設の活用なども検討したいという。自治体によっては、管内の大学と協定を結び、非常時の開放を依頼している所もある。ショッピングモールや映画館など、民間の側も積極的に協力してもらいたい。

 こうした背景には、最近、自治体が大規模に避難勧告や避難指示を出す傾向がみられる問題がある。もちろん河川の決壊などで、全域に浸水リスクがある場合は仕方ないが、情報は地域の特性を考慮し、きめ細かく出す方が、受け手には親切だ。自治体も心がけてほしい。

 住民の方も、平時から避難所以外の移動先を考えておこう。危険性は場所によって異なり、避難情報が出ても自宅にいる方が安全な場合もある。浸水する可能性や、土砂災害の危険があるか。自宅の2階以上に移る垂直避難のほか、事前に近所の上層階の家や、別の町の親戚宅に行く方法もある。様々な避難の形を頭に入れておきたい。

 残念だったのは、避難所の役割を自治体職員が理解していない事態が起きたことだ。

 東京都台東区が、自主避難所となっていた区立小学校を訪れたホームレスの男性を、「住所がない」との理由で受け入れを断っていた。批判を受けて区は謝罪したが、命にかかわりかねない対応だ。外国人を含め、避難所は誰にでも開かれた場であることを忘れないでほしい。

 大変な時こそ、誰もが助け合う姿勢を心がけたい。

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