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 一緒に考えよう、認知症のこと。朝日新聞社は創刊140周年記念事業の一環として、認知症になっても安心して暮らしていける社会を目指す「認知症フレンドリープロジェクト」に取り組んでいます。

 ■笑いに涙に、固定観念ぬぐい去る 短編映画のコンテスト、4作品が受賞

 認知症を題材にした短編映画(ショートフィルム)をご覧になったことはありますか? 10月7日、浜離宮朝日小ホール(東京都中央区)で、日本初の認知症に特化したショートフィルムコンテストの授賞式が開かれました。

 朝日新聞社が運営する認知症ウェブメディア「なかまぁる」が企画したコンテストで、最優秀賞をはじめとする受賞4作品を上映。短いながらも濃密な世界に約200人の参加者が喝采しました。

 最優秀賞は坂部敬史監督が米国留学中につくった「The Right Combination」。若い泥棒が民家に忍び込んだところ、そこで暮らす認知症らしき男性が彼を息子と勘違いし……。スリリングなのに笑えて泣ける物語が展開されます。副賞目録を手渡した映画コメンテーターのLiLiCoさんは「スゴすぎる! いま一番注目の監督です」と最大級の賛辞を送りました。

 コンテストは、「認知症の固定観念にとらわれない」などのテーマ設定で今夏、作品を募集。全国から37点の応募がありました。

 授賞式の後はLiLiCoさんと、認知症本人の立場から精力的に発信を続ける丹野智文・なかまぁる特別プロデューサーが「ショートフィルムと認知症の新たな可能性」と題して語り合いました。

 LiLiCoさんは「ショートフィルム(今回の応募規約では40分以内)は短い時間に削るからこそ、描かれるテーマがストレートに心に刺さる」と魅力を解説。このコンテストで様々な作品に出会い、「認知症の人に会ったことない、詳しくないという人も、(認知症のことを)もっと知りたくなるのでは?」と話しました。

 丹野さんは「映像のプロと一緒に、認知症の本人たちが当事者目線で作品をつくったら面白いのでは?」と提案。丹野さん自身の、知っているはずの人の顔が分からなくなる経験や失敗談などを題材候補にあげました。LiLiCoさんも興味津々。従来の認知症のイメージを変える作品が生まれそうな期待に、トークは盛り上がりました。(冨岡史穂)

 ■受賞作と見どころ

 ◆最優秀賞

 坂部敬史監督 「The Right Combination」

 ◆優秀賞

 小野光洋監督 「英爺(えいじい)」

 (公園で「マリさん」を探す謎のおじいさんの特技とは?)

 ◆丹野智文特別賞

 川端真央監督 「介護しよう。MV feat.おばあちゃん」

 (現役ケアマネジャーらが祖母と一緒に介護しようYo♪とラップ)

 ◆ミュージックビデオ特別賞

 加藤マニ監督 「愛のカタチ」

 (映画「カメラを止めるな!」で脚光をあびた俳優どんぐりさんが認知症の女性を好演)

 ※受賞ならびにノミネート作品は順次(https://nakamaaru.asahi.com別ウインドウで開きます)でご覧いただけます。

 ■「VR映像」で不安を理解 本社講師を派遣、体験会受け付けています

 朝日新聞社は今年度から、認知症の人が見ている世界を映像で疑似体験する「認知症VR(バーチャルリアリティー)体験会」を展開しています。自治体や学校、企業などから依頼を受け、専用の機器を携えた講師がうかがいます。

 本社が独自に開発したVR映像は「階段を下りる」「幻視が見える」「自動車の運転」の三つの場面があり、専門医が原因や対処法を説明します。受講者は、認知症になった人の不安や悩みを「自分事」として理解し、寄り添うためのヒントが得られます。

 開催の依頼は、すでに全国各地から多数寄せられています。

 熊本県は9月、中学生に介護の仕事の魅力を伝えようと県内3カ所の中学校でVR体験会を開きました。山鹿市の菊鹿中では3年生46人が参加。「すごい」「リアルに見える」などと声を上げていました。神奈川県小田原市や座間市、藤沢市も同月、開催しました。

 体験会は半日(約3時間半)か1日(約7時間)開催で実施。映像を見るためのVRヘッドセットは10台持ち込みます。半日は7万3千円。1日は12万6千円。派遣講師の交通費、機材搬入費も申し受けます。いずれも税別。問い合わせはメール(dementiavr@asahi.comメールする)で。詳細は公式WEBサイト(https://dementiavr.asahi.com/別ウインドウで開きます)をご覧ください。

     ◇

 朝日新聞厚生文化事業団も、VR映像を活用した小学校高学年向けの「認知症フレンドリーキッズ授業」を実施しており、希望校を募集しています。問い合わせは同事業団(06・6201・8008)へ。(坂田一裕)

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