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 会計検査院が決算検査報告を首相に提出した。指摘された無駄遣いやずさんな公金管理は多岐にわたるが、近年急増している米国からの有償軍事援助(FMS)をめぐっても、あきれる実態が明らかになった。

 FMSは、米国の見積もりに応じて日本が代金を先に納め、兵器などが納入された後に精算する仕組みになっている。米国優位の構造の下、前払い金額は多めに設定されるのが通例だ。

 だが17年度末の時点で、▽予定時期を過ぎても納入が終わっていない事例が85件、349億円▽納入後も米国側から最終計算書が届かないなどの理由で、精算を終えていない事例が568件、1068億円▽うちほぼ半数が精算時期の目標とされる「納入完了後2年以内」を過ぎていて、10年を超えるものも8件――あることがわかった。

 兵器という特殊な製品であっても、税金を使う以上、価格は適正であるべきだし、納入や精算の遅延も認められない。

 ところが実際は米側の都合が優先され、日本は不利な条件を甘受する。そんなゆがんだ取引は国民の不信を呼ぶだけだ。

 検査院は過去にも同様の指摘をしているが、状況は改善されず、「未納入」は金額ベースで13~16年度の約2倍になっている。戦闘機に搭載する電子機器が間に合わず、整備中の別の機体のものを転用したケースや、米側から生産停止を通告されたのに、防衛省が発注を取り消さず放置していたケースも見つかったという。

 また、調達額の1・2%に相当する「契約管理費」が減免される協定を結んでいないこともわかった。フランス(全額)、韓国、オーストラリア(0・5%分)など約20カ国が締結しているが、防衛省は協定の内容によっては利益になるとは限らないなどと釈明している。利益になるように交渉するのが同省の仕事であり、検査院が再検討を求めたのは当然だ。

 防衛力の整備を掲げ、兵器の売り込みに懸命なトランプ政権との協調を重視する安倍政権の下、FMS調達は大幅に増えている。14年度予算で1906億円だったのが、18年度はオスプレイやF35の購入で4102億円に。さらにイージス・アショアの配備もあって、19年度は7013億円に膨らんでいる。

 政府は、防衛相会談などで価格の引き下げや迅速な納品を求めているというが、いまの制度では根本的な解決は遠い。

 どんな兵器や装備が必要かを改めて精査するとともに、同じくFMSで米国から兵器を購入している百数十の国とも連携して、米国に対し改善の働きかけを強めなければならない。

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