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 税金で賄われる内閣の公的な行事を私物化していると批判されても仕方あるまい。安倍首相にはきちんと疑問に答えてもらわねばならない。

 毎春、東京・新宿御苑で行われる首相主催の「桜を見る会」の出席者が、第2次安倍政権発足以降、年々増え続け、首相の後援会関係者が大勢招待されていることが明らかになった。

 「開催要領」には計約1万人と明記されているにもかかわらず、今年の参加者は5年前より4千人以上多い約1万8200人。予算は毎年一律の約1767万円だったが、実際の支出は膨らみ続け、今年は3倍以上の5519万円となった。ずさんな予算管理に驚く。

 なぜ、これほど参加者が増えたのか。先週の参院予算委員会で、共産党議員が問題視したのが、首相や閣僚、自民党国会議員の後援会関係者の招待だった。とりわけ、首相について、都内のホテルで開かれた前夜祭に850人が出席し、当日はバス17台に分乗して会場に向かったという、今年の参加者からの情報を示し、「後援会活動そのものではないか」と追及した。

 1952年に当時の吉田茂首相が始めたこの会は、各界で「功績・功労」のあった人たちを慰労し親睦を深めるのが目的とされる。開催要領は、招待の対象を皇族や各国大使、国会議員、都道府県知事らのほか、「その他各界の代表者等」と定める。この「その他」に後援会関係者が含まれるとみられるが、個々の議員の活動を支える支援者を、国全体にとって「功績・功労」があったと認めるのは筋が違うだろう。

 ところが首相は予算委で、「個人情報」を口実に、招待に関する具体的な説明を拒んだ。また、内閣府の担当者は、招待者名簿などの資料は会の終了後、「遅滞なく廃棄」したと述べた。翌年の準備のために保管しておくのが当然ではないのか。天皇、皇后両陛下が主催する園遊会の招待者名簿は公表されており、不透明きわまる。

 首相は「招待者のとりまとめには関与していない」とも述べた。しかし、朝日新聞の調べで、首相の事務所名義で、桜を見る会を含む都内の観光ツアーを案内する文書の存在が明らかになった。

 首相は13年以降、会の前夜に開かれる後援会との懇親会に欠かさず出席もしている。一連の経緯を承知していないはずはなかろう。

 首相に近しい者が特別な便宜を受けたのではないか。森友・加計問題でも指摘された、政治の公平・公正に関わる問題であると、首相は深刻に受け止めるべきだ。

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