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 2018年12月12日に行われた第27期銀河戦(囲碁・将棋チャンネル主催)の本戦トーナメントの対局について、事前に報道各社に1枚の紙が配られた。

 この日、藤井聡太七段(17)は午前に佐藤慎一五段(37)と対戦し、勝った場合は午後に阿部健治郎七段(30)と戦う予定だった。銀河戦はテレビ棋戦の早指し戦で、この2局が放映されるのは2カ月後と3カ月後。通常は放映まで、勝敗はもちろん対戦相手も伏せられる。

 この時は公式戦で98勝していた藤井が連勝すれば最年少、デビューから最速で100勝を達成するため、通知には記録達成の場合のみ勝敗などを即日で公表できることが記されていた。

 五段への昇段条件となっている100勝達成は通常、昇段を伴わない場合、日本将棋連盟は公表していない。藤井は既に七段。1988年に当時五段の羽生善治九段(49)がデビューから2年3カ月、17歳6カ月で達成した時もほとんど注目されなかった。だが、「藤井さんはあれだけ連勝して注目を集めていたし、メディアからの要請もありましたので」と将棋連盟。異例の対応で、100勝の年少ランキングも永世称号獲得者や中学生でプロになった大棋士のみを対象に急きょ作成した。

 藤井は見事連勝し、プロ入りから2年2カ月、16歳4カ月で100勝を達成。同じく中学生デビューの羽生を上回った。藤井は記者会見で「これまでの一局一局の積み重ねで一つの区切りに達したことを感慨深く思っています。自分が将棋を始める前から第一線で活躍されてきた方の記録を一つ超えることができてうれしい」と話した。

 羽生九段は「16歳での100勝の達成は空前絶後の大記録。棋士として一里塚を通過してさらなる前進を期待したい」とコメントを寄せた。=敬称略

 (村上耕司)

 ◆毎週日曜に掲載します。

 <訂正して、おわびします>

 ▼8日付の連載「大志 藤井聡太のいる時代」の記事で、藤井七段の話の中に「第一戦で活躍」とあるのは、「第一線で活躍」の誤りでした。

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