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 国民の代表として行政監視機能を担う国会議員の質問を、あまりにも軽んじていないか。疑惑にほおかむりする政権の居直りとしか言いようがない。

 首相主催の「桜を見る会」をめぐり、衆院内閣委員会の理事会が開かれた。臨時国会は終わったものの、この問題の幕引きを許すまいという野党が提出した質問状に政府が答えたが、事実上の「ゼロ回答」だった。実態解明に本気で取り組む気があるとはとても思えない。

 オーナー商法で行政指導を受けたジャパンライフの元会長宛ての招待状に同封されていたとされる受付票には、「60」という区分番号が記されていた。首相の推薦枠を示す数字ではないかと見られているが、政府の回答は「調査する必要がない」。実務担当者への確認を求められても「その必要は感じない」。

 紙の招待者名簿は、共産党議員が資料請求した直後にシュレッダーにかけられた。意図的な隠蔽(いんぺい)かどうかを見極めるうえで、電子データの廃棄時期は重要な情報だ。政府はコンピューターの履歴の確認は実務的には可能だとしながら、担当者からの聞き取りで、ある程度の日にちがわかっているとして、履歴の調査は行わないと答えた。

 政府の不誠実極まる対応は、野党議員が提出した質問主意書への答弁書も同様だ。安倍首相とともに桜を見る会に出席している妻の昭恵氏について、日当など公費の支出や公用車の使用を尋ねたところ、「(質問の)意味するところが明らかではない」などとして、回答は「困難」とした。はなから答える気がないとしか思えない。

 大本に、説明責任から逃げ回る首相の存在があることは間違いない。首相は先週の講演で、森友・加計問題、統計不正、桜を見る会を列挙し、「この3年ほど、国会では政策論争以外の話に審議時間が割かれてしまっていることを、大変申し訳なく思っている」と語った。陳謝の体裁はとっているものの、政権がまいた種で、自らが納得の得られる説明をできていないことに原因があることを考えると、あまりに人ごとの言いぶりだ。

 森友学園への国有地売却をめぐっては、大阪高裁がおととい、一審の大阪地裁より踏み込んで、国の情報不開示を違法と認める判決をくだした。桜を見る会をめぐる一連の対応を見ていると、不都合な情報を隠したがる政府の体質は全く変わっていないと言わざるを得ない。

 首相が来年の通常国会で、実のある政策論争を実現したいと本気で考えているのなら、国会の閉会中審査に応じるなど、まずは現下の桜を見る会の問題に正面から取り組むべきだ。