(評・舞台)「月の獣」 家庭に潜む女性への暴力の種
時は1921年。写真家のアラム(眞島秀和)は、結婚したばかりの妻セタ(岸井ゆきの)に手鏡をプレゼントする。アメリカの劇作家リチャード・カリノスキーの「月の獣」(浦辺千鶴訳)の物語が始まるのはここからだ。だが、鏡が必要なのはアラムの方だった。本作はふだん他人の姿を写す仕事をしている彼が、自分を見つめ…
時は1921年。写真家のアラム(眞島秀和)は、結婚したばかりの妻セタ(岸井ゆきの)に手鏡をプレゼントする。アメリカの劇作家リチャード・カリノスキーの「月の獣」(浦辺千鶴訳)の物語が始まるのはここからだ。だが、鏡が必要なのはアラムの方だった。本作はふだん他人の姿を写す仕事をしている彼が、自分を見つめ…