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 ネットを悪用した犯罪から子どもを守る取り組みが、様々な場面で行われている。

 警察庁は全国の警察本部に対し、性行為の相手を募る書き込みを探し出して、公式アカウントから子どもには注意を、誘う側には警告を返信し、悪質なものは摘発するよう指示した。

 SNSを通じて事件に巻き込まれる18歳未満の子は近年増え続け、18年は1800人を超えた。昨年末には、栃木県の男がツイッターで知り合った大阪市の小学6年の少女を連れ去ったとして起訴されたが、同様の犯罪は決して珍しくない。

 内閣府の調査では、中高生の大半は自分専用のスマートフォンを持ち、小学生でも4割近くに及ぶ。使用を禁ずるのは現実的でなく、子どもはネット情報に日々触れるという前提で、対策を講じなければならない。

 SNSと付き合う方法は学校の授業などにも取り入れられている。家庭でも子の発達段階に応じて、ネット空間には年齢や性別を偽る「なりすまし」が多いことを教え、「ネットだけで知った人には会わない」などのルールを決めておきたい。

 一方で、思春期の子が身近な人には打ち明けにくい悩みをもつのは普通のことだ。第三者に胸の内を伝え、相談に乗ってもらいたいと思うのは十分理解できる。そのための場を、10代にとって垣根が低く、使いやすいネット空間に用意する。子どもが悪意のある大人を頼ってしまわないよう、環境を整える。そうしたことも、求められる大切な「対策」といえよう。

 参考になる例はある。

 接続事業者のニフティは、子どもの悩みに子どもが答える掲示板を営む。安全のため、事前に投稿や返事の内容を点検したうえで公開する。SNS初心者が、安全な使い方やマナーを学ぶ場にもなるという。

 NPO法人ウィーズの「家庭環境に悩む子どものための掲示板」もある。代表自身が両親の離婚の際、友人や先生に話せずつらい思いをした経験がもとになっている。メールやLINEでスタッフに相談できる機能があり、内容によっては面談や専門機関への取り次ぎを行う。

 自殺防止のSNS相談窓口の「生きづらびっと」も、毎月150~250件の10代からの相談に対応している。幅広い世代から連絡があり、その中で緊急度の高いものを優先せざるを得ないため、相当数あるグレーゾーンの案件に十分対応できないのが課題という。

 こうした活動を充実させるカギは、やはり資金と人手だ。寄付や助成の制度を使い、社会的に支える仕組みを築くことを真剣に検討する必要がある。

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