(あるきだす言葉たち)地の上へ散るだけの 細野豊
地の上へ散るだけの
花よりも
落ちてふたたび枝に帰る
蝶が愛しい
たとえ偽の花と
揶揄されようと
自由に飛べるから
詩が生まれる
木も枝も花も
自力では動けないから
詩は書けない
夏 木は時を惜しむ蝉の叫びに揺すられ
秋 肌に染みついた悲しみは風に運ばれ
冬 詩を抱きつつ厳しい寒さに裸を…
地の上へ散るだけの
花よりも
落ちてふたたび枝に帰る
蝶が愛しい
たとえ偽の花と
揶揄されようと
自由に飛べるから
詩が生まれる
木も枝も花も
自力では動けないから
詩は書けない
夏 木は時を惜しむ蝉の叫びに揺すられ
秋 肌に染みついた悲しみは風に運ばれ
冬 詩を抱きつつ厳しい寒さに裸を…