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 今冬は雪が少なく、1月の降雪量は各地で観測史上最少だった。その分暖かい日が多く、真夏を思わせる大雨が降ったり、104年ぶりに1月の最高気温を更新したりした所もある。

 気象庁によると、今後、寒気の南下で冷え込む日はあるものの、暖冬傾向は続くという。

 あるシーズンの現象を、単純に地球温暖化に結びつけて説明するのは避けるべきだ。だが長い目で見たとき、気温は確実に上昇し、気候の変動幅は大きくなっている。異変を身近に迫る危機と受け止めたい。

 暖冬には除雪作業の負担減や光熱費の節約といった利点がある。一方でスキー場の休業、行事の中止、冬野菜のとれすぎによる値崩れなど、各方面に様々な影響が及ぶ。雪解け水が減るとして、水不足や秋の収穫を心配する声も出ている。

 山形県は雪不足に関する融資制度を初めて設けた。各自治体はこのように、短期的には今季の暖冬が招くマイナス面を把握し、地域経済への打撃を減らす手だてを講じる必要がある。

 あわせて長期的視点から、温室効果ガスの排出を抑えるためにどうすべきか考え、実践することにも取り組んでほしい。

 注目したいのは自治体による「気候非常事態宣言」だ。16年のオーストラリア・デアビン市を皮切りに、パリ、ロンドンなどが続いた。言葉だけでなく、具体的な数値目標を掲げることが条件で、運動を推進する国際NGOによると、これまでに世界で1千超、日本でも五つの自治体が表明している。

 長野県白馬村もその一つだ。地元の高校生の要請がきっかけだった。昨年12月の宣言では、パウダースノーの自然に恵まれた村にとって気候変動は深刻な脅威であり、「2050年の再生可能エネルギー自給率100%」に取り組むとしている。

 台風19号で被災した長野県も12月に宣言し、「2050年のCO2排出量実質ゼロ」などをうたった。堺市や神奈川県鎌倉市は議会の議決を受け、市長部局が対応を検討している。

 宣言を機に、再生エネルギーの普及促進や家庭での省エネ、マイカーの利用抑制などの目標を打ち出し、市民と行政で達成をめざすのは意義がある。

 「良い子にしてても地獄行き」――。先月、18歳で米グラミー賞の主要4部門を制覇したビリー・アイリッシュさんは、歌詞のなかで温暖化への危機を訴え、いま行動を起こさなければ大変な事態になると訴える。「警告したよ。聞いてなかったなんて言わないでね」とも。

 次の世代にどんな地球を引き継ぐか。記録的暖冬から読み取り、考えるべきことは、多い。

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