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 朝日新聞社とエイベックス・エンタテインメント(東京)が展開する、認知症など高齢期の病気に備えるためのプロジェクト「リバイバルライフ」の輪が広がっている。朝日の「認知症フレンドリー講座」とエイベックスの「リバイバルダンス」を組み合わせた体験型企画だ。

 認知症の人が見ている世界をバーチャルリアリティー(VR)で体験し、当事者インタビューも視聴できる「認知症フレンドリー講座」。ゴーグルで見るVR動画は、認知症で表れる幻視などの症状を体感できる。

 「リバイバルダンス」は、ダンス&ボーカルユニット「TRF」が考案。昭和や平成の歌謡曲に合わせ、無理なく楽しく踊って高齢期の病気に備えることができる。

 両者を組み合わせた「リバイバルライフ」プログラムは、昨年11月の発表以来、各地の学校や企業、自治体から注目を集め、問い合わせは50件を超えた。

 最初の実施となったのは、1月21日の大阪大豊中キャンパス。同大の留学生19人が挑戦した。

 依頼したのは三森八重子教授(技術経営)。「世界的な課題である認知症問題の解決のため、日本企業がどんな取り組みをしているかを外国人学生に学んでもらうのに格好の事例」だと考えた三森教授は「認知症への理解を深めつつ、朝日新聞社やエイベックスが展開するソーシャルビジネスのあり方や、社会に与えるインパクトについて考えてもらいたかった」と話す。

 留学生たちはVR体験のあと、リバイバルダンスにも挑戦。講師のダンサー、Mayuさんの動きに合わせ、振り付けを見よう見まねで習得。美空ひばりの「お祭りマンボ」に合わせて踊ってみれば、ほぼ全員がすぐにコツをつかんだ。

 楽しみながらも「ダンスで認知症のリスクが減らせるなんて」と驚く留学生たち。韓国出身で祖母が認知症という朴彜彦(パクイアン)さんは「VRで認知症を疑似体験できるのは重要。たくさんの若者に認知症を知ってもらうため、世界に広げてほしい」と願っていた。

 講座を終え、三森教授は「認知症を自分に引き寄せて考える機会になった。全員、笑顔だったのが印象的でした」と話していた。

 ■買い物客が認知症疑似体験

 朝日新聞社は「認知症フレンドリー講座」を展開する一方、要請を受け自治体などの各種イベントに出張開催する「認知症VR体験会」も提供。啓発活動に生かす企業も増えている。

 兵庫県伊丹市では、昨年12月に「イオンモール伊丹」で、1月には「イオンモール伊丹昆陽」で、ショッピング客向けに認知症の人の視覚を体験するVR体験会を開いた。

 ショッピングモールの広場が会場。認知症関連の資料が展示される一方、相談コーナーでは、市内の包括支援センターの職員が、来場者の相談に応じていた。

 両店とも1回あたり約1時間の内容で10人参加できるVR体験会を、1日4回開催。平日開催だったが、各回ともほぼ定員に達するなど、関心の高さがうかがえた。

 出張講師による簡単な講義の後、認知症の人が見ている世界などを体感できるゴーグル型のVR機器を試した参加者は、「階段を下りる」「幻視が見える」「自動車を運転する」の三つのシチュエーションを体験。「こう見えるのか」などと、感想を述べていた。

 「認知症の人も安心して買い物ができるお店を目指している」という、イオンモール伊丹昆陽の長岡洋子ゼネラルマネジャーは「従業員はもちろん、お客様にも認知症のことを知ってもらう機会をつくることができた」と、語っていた。

 ■ダンス無料体験プログラム、4月も実施

 エイベックスグループ所属のダンス&ボーカルユニット「TRF」のSAMさんら=写真=が考案した「リバイバルダンス」は、企業や学校、自治体の依頼を受けて全国に出張開催している「認知症フレンドリー講座」(有料)と組み合わせ、現在は無料で体験プログラムを実施しています。

 当初、無料期間は3月末までの予定でしたが、ご好評にお応えし、その期間を延長することになりました。4月も無料で提供します。「認知症フレンドリー講座」(有料)とセットでの、団体受講が前提です。詳細は公式WEBサイト(https://revival-life.jp/別ウインドウで開きます)。「認知症フレンドリー講座」の詳細は公式WEBサイト(https://dementiavr.asahi.com/別ウインドウで開きます)。

 ◆この特集は、坂田一裕が担当しました。

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