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 24時間営業をめぐるコンビニエンスストアの本部と加盟店の対立が表面化して、1年。

 業界の課題を話し合ってきた経済産業省の検討会が、「一律24時間の営業」ではなく、店の実情を踏まえた柔軟な対応を求める報告書をまとめた。全国で12回開いた加盟店主からの聞き取りも、反映している。

 人手不足で高騰する人件費、期限が切れた食品の廃棄の費用はともに、加盟店主に重荷となる。公共料金など収納代行サービスの手数料の低さも、加盟店には負担感が強いという。報告書は、利益を上げている本部は「環境変化に応じた利益配分やコスト分担のあり方」を考えるべきだとした。

 コンビニ同士だけでなく、ドラッグストアなどとの競争も激しい。状況の変化に応じて、加盟店主が安心して条件を見直せるよう、現在の10年や15年といった契約期間を短くすることも選択肢に挙げた。

 ビジネスモデルは本来、民間企業が自ら考えることだ。経産省が乗り出したのは、本部が加盟店の利益構造の変化に向き合わず、制度のひずみを放置してきたからと言える。

 報告書は「現場の声が経営陣に届いていない」という声が多くあったとも指摘。加盟店主と本部、そして本部内でも情報を共有し、制度の改善につながるしくみの必要性に触れた。

 優越的な地位を背景に、現場の声を軽んじる姿勢が本部側には残っていないか。セブン―イレブンの本部は「双方向で建設的な対話を持つ」として、加盟店主との意見交換を重ねているというが、回数の多さを誇るだけでは不十分だ。

 本部側は加盟店主の声を、正面から受け止めてほしい。真の信頼関係を築き、実効性のある改革へとつなげるべきだ。

 この1年、業界の急成長期につくりあげた制度の見直しが、進められてはきた。セブン―イレブンは昨年11月から深夜休業を正式に認め、129店になった。ファミリーマートは6月から、原則として加盟店が営業時間を選べる制度を入れる。ローソンの時短営業店は、昨年3月より140店近くも増えた。しかし全国におよそ5万5千店あるコンビニ全体からみれば、わずかな動きにとどまる。

 検討会が利用者に、コンビニに何を求めるのかを尋ねたところ、災害時の対応や防犯機能を求める声が目立った。誕生から40年あまり、社会で果たす役割は広がっている。

 コンビニを支えあう加盟店と本部の契約とは、どうあるべきか。利用者や社会の変化も敏感にとらえ、この先も、不断に見直すことが求められる。

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