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 安倍政権のおごりや弊害があらわな中、もう一つの選択肢として国民に認めてもらえるか、まさに正念場である。

 野党第1党である立憲民主党がきのう党大会を開き、「全ての取り組みを政権交代のための準備につなげる」との活動方針を決めた。国民民主党との合流見送りにも触れ、「門戸を閉ざすことなく、今後も不断の努力を行う」と明記した。国民も22日の党大会で、「合流に向けて協議を粘り強く継続していく」との活動方針を決める。

 昨年の臨時国会から続く立憲、国民などの野党統一会派が、「1強多弱」の国会に一定の緊張感をもたらしたのは事実だ。とはいえ、理念や政策の溝を十分埋めないまま、「数合わせ」を優先すれば、かえって国民の信頼を失いかねない。

 3年前の衆院解散時、小池百合子・東京都知事が立ち上げた希望の党に民進党議員が雪崩をうち、はじき飛ばされた人たちが集ったのが立憲だ。理念・政策や政治家としての筋の通し方を大切にしようとした、その原点を忘れてはなるまい。

 確かに衆院議員58人、参院議員33人の小所帯で、単独では巨大与党の足元にも及ばない。若い議員が多く、政策立案や国会論戦の中軸となる中堅が少ないのも悩みの種だろう。昨年の参院選の比例票は、衆院選より約300万票減らした。朝日新聞の世論調査では、結党時17%あった政党支持率は直近でわずか7%である。

 こうした党勢低迷の原因はどこにあるのか。そして、枝野幸男代表が結党時に掲げ、綱領の1項目に記した「草の根からの民主主義」は、どこまで浸透しているのか。この間の党の歩みを総点検し、地道な取り組みを強化するほかあるまい。

 枝野氏は国会での先の代表質問で、党がめざす社会像について、「支え合う安心」「豊かさの分かち合い」「責任ある充実した政府」という三つの理念を打ち出した。現場の多様な声を吸い上げ、具体的な政策に肉付けできるか。「ボトムアップの政治」の真価が問われる。

 と同時に、野党の力をまとめるために心を配らねばならない。政権の問題点をただす国会論戦での連携に加え、次の総選挙で自公政権に代わる選択肢を有権者に準備できるか、共産党など統一会派に参加していない野党を含む選挙協力の態勢づくりが課題となる。

 全国32の1人区すべてに「野党統一候補」を立てた昨年の参院選では一定の成果があったが、289ある衆院小選挙区の候補者調整は容易ではない。共通の公約や政権構想づくりを含め、野党第1党の責任は重い。

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