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 国会を軽んじ、野党を敵視する姿勢が本当に改まるのか。安倍首相の「反省」をうのみにはできない。

 首相がきのうの衆院予算委員会の集中審議の冒頭、先週の委員会で立憲民主党の辻元清美衆院議員に「意味のない質問だ」とヤジを飛ばしたことをおわびし、「今後閣僚席からの不規則発言は厳に慎む」と述べた。

 直後には、「罵詈(ばり)雑言」を浴びたので「当然そう思う」と開き直っていた。低姿勢に転じたのは、年度内成立をめざす予算案の審議への悪影響を避けたい思惑からなのか。

 首相のヤジは、これまで何度も問題視されてきた。安全保障関連法案を審議していた5年前には、同じ辻元氏に「早く質問しろよ」。昨年の臨時国会では、加計問題で官邸幹部の関与がうかがわれる文書の作成者をただした野党議員に「あなたじゃないの」。いずれも陳謝したが、同じことが繰り返される以上、謝罪は口だけとみられても仕方あるまい。

 国会審議にヤジはままあるとはいえ、立法府のチェックを受ける立場の閣僚側が質問者に放つのは筋違いだ。一国の指導者の振る舞いとして、首相は恥ずかしくないのだろうか。

 きのうは、首相のこれまでの答弁が信用できるのか、疑問を抱かせる事実も辻元氏から突きつけられた。「桜を見る会」の前夜祭をめぐる問題である。

 首相はこれまで、ホテル側から明細書の提示はなく、費用は参加者個人が会費形式で支払った、領収書の宛名は空欄だったなどと説明してきた。

 ところが、過去3回、会場となったANAインターコンチネンタルホテル東京が、辻元氏の書面での問い合わせに対し、(1)明細書を発行しないことはない(2)宛名が空欄の領収書は発行しない(3)代金は主催者からまとめて受け取る――などと、メールで回答してきたというのだ。

 事実なら、前夜祭を収支報告書に記載してこなかったことが政治資金規正法違反に問われかねない重大な指摘である。

 首相はその後、事務所がホテル側に口頭で確認したとして、辻元氏への回答は「あくまで一般論」であり、従来の説明と齟齬(そご)はないと繰り返した。

 安倍後援会は特別扱いを受けたということか。しかし、ホテル側は政治家や政治団体を理由に扱いを変えたことはないとも答えている。これもまた、首相の主張をうのみにはできない。

 野党は、ホテル側と文書でやりとりし、その結果を示すよう強く求めたが、首相は応じなかった。自らの言葉の信が問われているというのに、積極的に疑念を晴らさずにどうするのか。

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