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 長時間労働が仕事と家庭の両立を阻み、育児や家事の負担が女性ばかりに偏る。そんな日本のありようが、深刻な少子化の要因と言われて久しい。

 男女が協力し合って子どもを育てる。当たり前のことを、誰もができるようにするには、働き方も人々の意識も、大きく変える必要がある。

 そのために、男性の育児休業をもっと広げたい。

 育休は、原則として子どもが1歳になるまで、男女どちらでも取得できる。休業中は賃金の67~50%の給付金が支給される。国連児童基金(ユニセフ)は昨年、父親のための育休制度で、日本は41の先進国の中で1位と評価した。

 問題は、多くの父親が利用できていないことだ。厚生労働省の18年度の調査では、育休取得率は女性82・2%に対し、男性はわずか6・16%だ。

 政府は昨年末、男性の育休取得率を25年に30%にする目標を掲げた。3月に新たな少子化社会対策大綱の取りまとめを目指しており、男性の育休取得の促進は柱の一つとなる見込みだ。

 どうすれば誰もが気兼ねなく取れるようになるのか。政府内では、休業中の給付金をさらに手厚くする案が取りざたされている。

 たしかに、家計の収入が減ることへの不安は大きい。給付率を引き上げれば、そうした人が取得しやすくなるだろう。

 一方で、「取りづらい雰囲気がある」「仕事の代替要員がいない」など、職場環境を理由に挙げる声も少なくない。

 制度の見直しと両輪で、職場の意識、働き方も改めねばならない。上司が積極的に取得を促せば、部下も休みやすいのではないか。日頃から複数の社員で仕事の情報を共有していれば、だれかが休んだときのカバーも円滑に進むだろう。それぞれの企業、職場で工夫しながら、男性が育休を取りやすい環境を整えることが求められる。

 同時に、育休の「質」にも目を向けたい。

 厚労省の調査で、育休の取得期間は女性の約9割が6カ月以上なのに対し、男性は7割以上が2週間未満だ。

 夫が育休を取得したという女性に聞いた民間の調査では、約3人に1人が育休中の夫の家事・育児時間が1日あたり2時間以下と答え、不満を抱く人が少なくない様子もうかがえる。

 さらに、育休を終えたら後は女性任せ、というのでは困りものだ。

 家事や育児について、「女性の仕事」という固定観念をぬぐいさり、男性も日常的に携わる社会に変える。育休を、その第一歩としたい。

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