外出先でもニュースを瞬時に知ることができる時代です。だからこそ、もっと深く掘り下げて取材したインサイドストーリー、そして将来を見通すことができる記事の重要性が増しています。新ページ「ニュースワイド」では、「介護」といった多くの人が直面する身近なテーマから、地球規模で待ったなしの課題である「環境」など、朝日新聞が特に力を入れて報道していくテーマを順次取り上げていきます。導入20年となる介護保険、政治の最前線、深刻な環境の悪化、働くとは何か。3月はこの四つのテーマを特集します。現在起きている出来事をより深く知り、そして将来を考えることにつなげる――。「今」と「明日」が分かるページを毎週日曜日にお届けします。
■「介護とわたしたち」
「介護の社会化」を掲げて誕生した介護保険は、4月で導入20年。家族の内側に閉ざされていた問題に光があたり、関係する仕事につく人は飛躍的に増え、制度は社会保障の柱の一つになっています。
一方、家族の姿はこの20年で激変しました。「独居」「老老」はもはや例外ではなく、支える家族も「シングル」化しています。かつては想定されていなかった新たな困難も生まれています。
頼みの介護保険は負担増やサービス縮小できしみ、人口減少という歴史的大転換のなかで、人材不足が制度の持続可能性を揺るがすテーマになっています。
家族の関わり、終(つい)のすみか、ケアの現場で働く人たち。何が変わり、何が変わらないのか。20年後の介護は、暮らしはどうなっているのか。現場を見つめ、わたしたち誰もが当事者になる問題として考えます。
■「政治 FRONTLINE(フロントライン)」
安倍政権の内幕で何が起きているのか。野党勢力は何をめざし、どう動こうとしているのか。地方政治は永田町の思惑にどう向き合うのか……。そんな政治の最前線の動きを読み解くデジタル版の企画「フロントライン」を、紙面でも随時お届けします。
国政でも地方政治でも、政治家は主権者たる国民の負託を受けて公権力を行使します。その動向を国民が注視し、選挙をはじめ様々な形で声をあげていくことが、政治に緊張感をもたらす。それが民主主義の大原則です。
安倍晋三首相の任期はあと1年半となり、衆院議員の任期もすでに折り返しを過ぎました。政界では「次」を見据えた胎動が始まっています。日々の記事では紹介しきれないニュースの背景や、政局のキーマンの動きなども含め、政治の深層に迫り、お伝えしていきます。
■「環境 転換点2030」
国内外で地球温暖化の影響と見られる異常気象や災害が相次ぎ、「気候危機」とも呼ばれています。気候、海洋、森林、雪氷圏……。科学者は、地球を維持しているシステムが連鎖的に「転換点(ティッピングポイント)」を超えることで、地球全体の環境が後戻りできない状態に移行する恐れを指摘しています。
環境の悪化が深刻化するにつれ、若者や市民から地球システムの維持を求める声が世界各地で上がり、大きなうねりとなりつつあります。「脱炭素」にかじを切る企業や自治体が増えており、「社会的転換点は近い」という期待も高まっています。
私たちは、「地球」と「社会」の転換点のどちらを先に迎えることになるのか。重要なカギを握るのが2030年までの10年間です。岐路に立つ地球と人間社会の最新の動きを紹介していきます。
■「働くってなんですか」
「働き方改革」という言葉は、政府のかけ声もあって定着してきた感があります。でも私たちには、消化しきれない、もやもやした思いがあります。
2019年春から、長時間労働を罰則付きで規制するルールができましたが、過労死がなくなる気配はありません。就職活動は近ごろ、学生側が優位だといわれるのに、入社してからひどい研修を受け、心に傷を負うケースが後を絶ちません。
有効求人倍率は歴史的な高水準です。政府は「雇用情勢は着実に改善している」と言い続けています。それなのに、なぜ賃金はなかなか上がらず、消費も盛り上がらないのでしょうか。
こうした課題を解きほぐすため、私たちは「働く」とは何かから問い直したいと考えています。現場を訪ね、話を聞き、読者と考え、これまでよりも一段、深い取材をめざします。
■次代担う若者に焦点
水曜日の「探究」面は、「明日へのLesson」をテーマに、正解のない社会を生き抜くために必要な「問いを立て、考えていく」力を養う企画を、週替わりで掲載してきました。3月からは、第1週に掲載してきた次代を担う若者と一線で活躍する「先輩」との対話企画を衣替えし、2週にわたり掲載します。
これまで、2030年の未来を考えるコミュニティー「朝日新聞DIALOG(ダイアログ)」に集う、様々な社会課題の解決に取り組む起業家や研究者ら若者2人が毎回登場。世界的指揮者の大野和士さん、将棋九段で永世七冠の資格を持つ羽生善治さん、社会学者の上野千鶴子さん、映画監督の是枝裕和さんらと対話を重ね、「メッセージ」を受け取ってきました。
3月からは、若者の活動に焦点をあてる記事を増やします。世界の未来を真剣に考え、行動する若い世代の「イノベーション」を紹介したり、「先輩」との対話を2週間掲載したりして、問いを立てる力を養う契機にしたいと思います。
■教育、色々な切り口で
大学入学共通テストでの英語民間試験の活用や、国語と数学の記述式問題の導入が見送られたことを受けて、大学入試改革のあり方が改めて問われています。教育面などの企画「揺れる大学入試」では、識者インタビューなどを通じて混乱が続く入試のあり方を考えます。
2010年に始まった連載「いま子どもたちは」は、子どもの視点から教育現場の問題を取り上げ、通算1600話を超えました。「おやじのせなか」「かあさんのせなか」など人気コラムと合わせてさらに充実させていきます。
河合塾との共同調査「ひらく 日本の大学」は今年で10回目。昨年は全国の大学683校、高校959校から回答を得て、大学入試改革への不満や不安を浮き彫りにしました。今年も共通テストなどについて多角的に聞きます。
不定期の特集「教育考差点」では、独自の切り口の記事を大型グラフィックとともに掲載します。次回は3月1日朝刊で「学校給食」を取り上げます。
■五輪・パラ、熱く手厚く
7月24日に開会式を迎える東京五輪、8月25日に開幕する東京パラリンピックに向け、選手の息づかいや祭典を迎える街の様子をお伝えしていきます。
3月26日には五輪の聖火リレーが福島から始まります。社会面で連載中の「聖火がまちに」では、47都道府県のランナーや話題を紹介しています。リレー開始後も、各地の話題を伝えていきます。開幕100日前となる4月15日からはカウントダウン企画を予定しています。
連載企画「聖火は照らす」では「復興五輪」の内実などに切り込んで来ました。春からも、五輪を開催する意義や問題点などに迫ります。
スポーツ面の「オリパラ人物館」では、選手が歩んできた道のりを紹介します。毎月24日掲載の「月刊TOKYO2020」では、選手たちの技に迫ります。
東京大会を支える人のエピソードをつづる「和輪話」や、五輪にまつわる様々な人や場所を記者が訪ねる「五輪をめぐる」にも、引き続きご期待ください。
■気になる建物紹介
今夏の東京五輪・パラリンピックを契機として、各地で大規模再開発が進んでいます。みなさんの周りでも、最近気になる建物を目にすることはありませんか。火曜日夕刊では、ユニークな建築を紹介する「建モノがたり」が始まります(西部本社版は翌月曜日に掲載)。
「ひたすら横に細長い」「窓が多すぎる」「外壁が棚だらけ」など、記者が感じた「気になるポイント」を、設計者や利用者らに取材。その狙いや意外な効果を解き明かします。「建モノ」にまつわる「モノがたり」をお楽しみください。
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