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 7月からプラスチック製レジ袋の有料化が義務づけられる。大手コンビニが1枚3~5円に決めるなど、長年の慣行の本格的な見直しへ一歩を踏み出す。

 注目されているのが、京都市の西隣、人口8万8千の亀岡市の取り組みだ。今春、市内の小売店にレジ袋の提供を禁じる全国初の条例をつくった。

 成立までの過程を見ると、住民や業者の理解と納得を広げるための地道な努力が大切だとわかる。身近なレジ袋を手始めに「脱プラごみ」を着実に進める参考になるのではないか。

 条例によると、環境にやさしい生分解性プラスチックや紙の袋の使用は認められるが、有料が条件だ。規定を守らない業者には、市による立ち入り調査や是正勧告、審査会の議論を経ての名前の公表という仕組みも整えた。来年1月から2段階での施行を予定する。

 きっかけは、保津川下りの起点として知られる市の観光業者の動きだった。川辺に多数のプラごみが散乱する状況に船頭の一部が危機感を募らせ、ゴミ拾いを始めたのが05年。2年後には住民有志や市議会議員らが加わって組織をつくり、市民運動として定着していった。

 その実績を踏まえ、市は18年に「プラごみゼロ宣言」をし、昨年春に産官学の協議会を立ち上げた。夏には大手スーパーをふくむ市内の小売業者の1割弱、六十数店舗で、まずレジ袋の有料化を実施。地区ごとに住民説明会を行い、アンケートでは7割が有料化や使用禁止に肯定的な回答を寄せた。

 今後は市をあげてマイバッグ持参を推奨するが、小売業者の一部には消費者の反発への不安が残るようだ。マイバッグを持たない客に提供する予定の紙袋のコストの高さも一因といい、市は支援策を講じる。円滑なスタートに知恵を絞ってほしい。

 他の自治体も亀岡市に続くことを期待する一方、レジ袋は国内で発生するプラごみ全体の数%に過ぎない事実も忘れてはならないだろう。

 焼却や埋め立て、再利用に回らなかったプラごみが、最終的に海へ流れ込み、汚染する問題への危機感は世界で強まっている。コーヒーチェーン店などでプラスチック製ストローの廃止が広がり、一部自治体ではペットボトルを減らそうと「マイボトル」運動も見られるが、こうした「点」の試みを「面」に広げていけるかが問われる。

 コロナ禍のなか、持ち帰りや宅配で飲食料品などを購入し、食器や容器、包装袋と数多くのプラスチック製品に頼って暮らしていることを痛感した人も多いだろう。その意識を忘れないことが出発点になる。