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 ■司法の独立や言論の自由が揺(ゆ)らぐ、と心配されているよ

 コブク郎 香港の将来を心配する声が出ているね。

 A 中国で「香港国家安全維持(いじ)法」が成立しそうなんだ。香港での反体制的な活動を取り締(し)まる法律だよ。香港は社会主義国の中国の一部だけど、資本主義が認められ、司法の独立や言論の自由も保障されてきた。その制度が根幹から揺(ゆ)らぐと心配されている。

 コ 同じ中国なのに制度が違(ちが)うの?

 A 「一国二制度」というよ。小さな漁村だった香港島は1840~42年のアヘン戦争で清(しん)朝から英国に割譲(かつじょう)された。その後、対岸の九竜半島も割譲され、1898年には半島の付け根にある新界地区が99年間の期限で租借されたんだ。

 コ いつ中国に戻(もど)ってきたの?

 A 1997年だ。その際、50年間は香港の政治や経済の仕組みは不変とされ、外交と国防を除く高度な自治が認められたんだ。

 コ どうして?

 A 経済発展を急ぐ中国にとって国際経済都市としての香港は重要で、企業(きぎょう)や投資家が逃(に)げ出すのを避(さ)ける必要があった。また、一国二制度は、中国が目指す台湾(たいわん)の平和的統一の先行モデルという面もある。

 コ 約束は守られたの?

 A 一国二制度の成功をアピールするため当初は中国も干渉(かんしょう)を控(ひか)えていた。しかし、返還(へんかん)時に約束した民主選挙が一向に実現せず、市民や民主派の反発が強まったんだ。2014年の雨傘(あまがさ)運動や昨年の大規模デモにはそういう伏線(ふくせん)がある。

 コ なぜ今回の法律が出てきたの?

 A 香港と中国の溝(みぞ)が深まり、香港独立を叫(さけ)ぶ人々まで出てきたことに中国政府は衝撃(しょうげき)を受け、裏に米国などの介入(かいにゅう)があると疑っている。これ以上、香港政府には任せておけないと考えたようだけど、「返還時の約束と違(ちが)う」という強い批判を呼んでいるよ。(小早川遥平)

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