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 小池百合子氏が東京都知事に再選された。

 自民が候補者の擁立を断念。野党系も一本化を果たせず、これにコロナ禍による各陣営の街頭活動の抑制が加わり、盛り上がりを欠いた選挙戦を制した。

 自民都連を「ブラックボックス」と批判し、改革への期待を背負って船出した4年前とは異なり、2期目の小池都政を取り巻く環境は厳しい。

 求められるのは都民の生命、健康、くらしを守ることを最優先に、山積する課題の解決に向けて地道な取り組みを重ねることだ。豊洲市場問題を始めとして何度か目にしてきた、聞こえのいい言葉だけで実行を伴わない政治は願い下げだ。

 直面する最大のテーマは、言うまでもなくコロナ対策だ。

 都内で再び感染が広がるが、確たる戦略を打ち出せない状況が続く。人々が何より不安を感じるのは経路不明の感染者の増大であり、その手当てだ。だがネーミングで関心を集めた「東京アラート」はうやむやのうちに終わり、もっぱら都民に「自衛」を促すにとどまる。これでは懸念は解消されない。

 選挙では、米国を参考に東京版CDC(疾病対策センター)の創設を掲げた。医療機関や区市町村との連携拠点にするというが、詳細は不明のままだ。

 休業要請に応じた事業者に協力金を出すといち早く表明し、政府を動かしたのは1期目終盤の実績だが、コロナ対策で都財政は余裕を失っている。今後被害が拡大した時、何を、どこまでやる用意があるのか。ここでも丁寧な説明が必要だ。

 東京五輪への対応という難題も待ち受ける。1年延期を前提に大会の簡素化と経費縮減を約束したが、中身は一向に見えない。関係者との協議を急ぎ、実施と中止それぞれの長短を明らかにして、都民に考える材料を提供するのが知事の務めだ。たとえ開催にこぎつけても、「こんなはずではなかった」といった不満や不信が残れば、大会は成功とは言えなくなる。

 コロナ禍によって、東京一極集中の危うさが改めて顕在化した。小池氏は国際金融都市力の強化を訴えるなど「稼ぐ東京」路線をゆくが、膨張を続けることが東京にとって、そしてこの国にとって望ましいのか、根底から問い直すときではないか。首都直下地震の発生の可能性などを考えればなおさらだ。

 防災対策を問われた小池氏は「あらゆるリスクを念頭に万全の対策を講じることがリーダーの責任」と答えた。防災に限らず、全ての施策に共通する指導者のあり方だ。この言葉を実践し、具体的な成果を残せるか否かが問われる4年間となる。

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