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 終戦から75年の節目を迎える夏。朝日新聞社のアルバム・写真デジタル化サービス「ニッポン写真遺産」にも、戦時中の記憶を伝える写真が多く寄せられています。デジタル化によって親から子へ引き継がれた、戦前・戦中の写真の一部を紹介します。

 (樋口慶)

 ■被爆、教え子の多くが犠牲に 生き残った罪悪感、28年後に転機

 広島市南区にある、旧陸軍被服支廠(ししょう)倉庫。現存する被爆建物では最大規模だ。昨年、県が耐震性の問題から一部を解体する計画を発表したところ、反対意見も寄せられるなど、注目を集めている。

 その被服支廠で1937(昭和12)年に撮られた写真がある。広島県師範学校の学生が勤労奉仕をしていたときの一コマだ。同市で長く教職に就き、2016年に96歳で亡くなった加藤好男さんのアルバムにあった。

 師範学校で学んだ加藤さんは、卒業後に教員となり、1943年に袋町国民学校(現在の同市中区にある袋町小)に着任する。

 45年8月6日朝、加藤さんは、生徒らと建物の取り壊し作業に当たっていた。「建物疎開」の勤労動員だ。たまたま報告のため作業を離れたときに被爆した。

 生徒の多くが犠牲になる中、自分だけ助かった罪悪感から、加藤さんはしばらく被爆体験を語ることはなかったという。

 しかし、28年後に転機が訪れる。73年、米国政府から日本に返還された資料に、被爆直後の袋町国民学校の写真があった。焼け焦げた校舎内の壁に、けがをした教え子を気遣って加藤さんが書いた伝言が写されていたのだ。

 これが新聞で報道されたのをきっかけに、その教え子の消息が分かり、再会できた。以降、加藤さんは学校での平和学習の場で講演をするなど、「語り部」としての活動にも携わるようになった。

 加藤さんの人生を記録したアルバム約10冊は、今春、長男がデジタル保存を決意。次の世代に引き継がれた。

 ■厳しくも大切な「養成所」

 一心不乱に雑巾がけをする少年たち。風呂場で背中を流しあう姿も見える。

 長崎県の佐世保海軍工廠(こうしょう)の工員養成所での生活を収めた写真だ。大阪府東大阪市の前岡富士子さん(63)から寄せられた。亡き父、副島幸夫さんのアルバムにあった。

 副島さんは1928(昭和3)年生まれ。43年に養成所に入った。「父からは、鉄拳制裁もあるくらい、規律がとても厳しかったと聞きました」と前岡さん。

 副島さんは終戦後、造船とは違う仕事に就いた。しかし、30歳を前に、旧海軍工廠の設備を受け継いだ佐世保船舶工業(現在の佐世保重工業)の求人を見て一念発起。試験を受け採用され、技師として活躍した。前岡さんは「養成所出身という誇りを持って仕事をしていたようです」と振り返る。

 副島さんは、リタイア後も毎年のように養成所の同窓会に参加し、2011年に亡くなった。「少年期に人生の基盤を作った場所として、父も大切に思っていたのだと思います」

 ■語られなかったアジア出張

 車体側面に大きく「昭南市電」と書かれたトロリーバス。1942(昭和17)年にシンガポールで撮影された写真だ。当時、日本の占領下にあったシンガポールは「昭南島」と呼ばれていた。

 この写真は、名古屋市の70代男性から寄せられた。父の遺品のアルバムの中にあった。

 鉄道情報サイト「鉄道コム」編集部によると、当時、シンガポールでは燃料不足のためガソリンエンジンのバスの運行が難しくなり、トロリーバスが復権。「昭南市電」の名で運行されていたという。45年の日本の敗戦後もトロリーバスの運行は続いたが、ガソリンエンジンのバスへの転換が進み、62年に全廃された。

 このアルバムには、シンガポールだけでなくビルマ(現ミャンマー)での写真も多く残されていた。寺院で撮ったと見られる写真もある。

 男性によると、陸軍の技師だった父は42年9月から翌年2月にかけて東南アジアに出張していたという。「父はこの出張をはじめ、戦時中の話を私たち子どもに語ることはほとんどありませんでした。アルバムが見つかって、聞いてみたいことが増えたけれど、今となっては聞ける人もいないのが残念です」

 ■写真整理のお手伝い、関西地区でも

 オプションサービス「写真整理お手伝いプラン」のアドバイザー訪問対象地域に、関西地区も加わりました。対象は大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山の2府4県の一部で、詳細はホームページをご覧下さい。

 同プランでは、デジタル化前の写真整理や箱詰め作業、デジタル化後の画像活用のサポートなどで、一般社団法人写真整理協会が認定する写真整理アドバイザーがお客様宅を訪問します。これまでは首都圏の1都3県を対象としていました。

 他の地域では引き続き、訪問を伴わない電話でのアドバイスや、画像データをやりとりして遠隔でできる作業のサポートを承ります。

 (新型コロナウイルスの状況によっては、訪問対象地域であっても、遠隔でのサポートを中心にさせていただく場合があります)

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 納品時のアンケートにご協力いただいたお客様のご感想やご意見など約400件を、当サービスのホームページに掲載しました。

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 ■4千枚の写真、まとめて1枚のディスクに

 「ニッポン写真遺産」は、アルバムやプリント写真をお預かりしてスキャンし、画像データと一緒にお返しするサービスです。

 デジタル化すれば、約4千枚のL判写真が、パソコンで閲覧できるDVD―Rディスク1枚に。部屋の片付けやお子さんへの引き継ぎに便利です。スマホで思い出を持ち運ぶこともできます。料金は、アルバム1冊(60ページまで)税別4千円から(別途基本料金と送料が必要)。詳しくは下記へ。

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